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細々とこっそりとちまちまと

アイドルソングの感想・レビュー、ライブレポ。

まめぐおかえり

しばらくブログを書くこともやめていたわけだが、居ても立っても居られないとはこのことか。
中島愛さんが正式に活動再開するという!

natalie.mu


こちら現在婚活中の身の上だ。婚活とは自意識を押さえ込んだ指の隙間から出てきた泥のようなものとの闘いである。何が言いたいかと言えば、厳しいのだ。映画の感想、Perfumeのライブレポート、書きたいことはいくつかあったかとても文章にできなかった。婚活という地獄から外に伝えられることなど無いのだ。そんな中、僕を励ましてくれているものが中島愛さんの歌だった。とても感謝している。だから、今こうして書いている。

中島愛さんのことがいつから好きだったのか、はっきりと思い出すことはできない。彼女のことを知ったのはご多分に漏れずマクロスFだった。1万回以上繰り返した「シェリル派?ランカ派?」という質問には必ず「ランカ派」と答えていたが、May'nの歌も遠藤綾さんの声と顔が大好きだった。大統領選挙くらい接戦の末の「ランカ派」だったのだ。いつの間にか近くにいて、気が付くと心の中にあった。それが中島愛さんの歌だった。

そして、2ndアルバム『Be With You』である。アルバムのオールタイムベストを決めることがあるとすれば、何枚かの1枚には必ず入れるだろう。女性声優の歌、というより王道アイドルソングの名盤中の名盤だと思っている。もし聞いたことが無い人にはぜひ聞いて欲しいし、できることなら記憶を全部消してもう1回このアルバムを聞いてぶっ飛ばされたい。
『Be With You』を聞いてから、中島愛さんのことを熱く考えるようになった。名古屋、大阪、東京と追いかけた『3rd Live Tour 2012 ~とことんBe With You!~』は本当に大切な思い出だ。移転前のZepp Osakaに行けたのも本当に良かった。それから中野サンプラザには行けず、当時住んでいた北海道のイベントにも行けずと生のお姿を拝見する機会は無かったが、すっかり彼女のファンのひとりになっていた。距離の近さや参加した回数、使ったお金や時間。そういうものの価値とは違う次元でずっとそばにいてくれる気がする。中島愛さんの魅力だった。

だから、音楽活動休止のニュースを聞いたとき、とても悲しかった。彼女の歌が遠くに行ってしまったと思った。

さて、繰り返しになるが現在婚活中の身の上だ。それはうまくいっておらず、いろいろと考えすぎてしまう。少し前によく考えていたのが出会いと別れのこと。この数ヶ月、出会いと別れが繰り返されてきた。彼女たちと僕は何のために出会ったのかと言えば、「あなたじゃない」ことを確認する以上でも以下でも無いとしか思えなかった。
婚活以前を振り返ると、出会いが多い人生だった。人よりいろんな場所に住んで、多くの趣味を持って、たくさんの友人に恵まれた。でも、今はひとり。別れも多い人生だったことに気付いてしまった。そうして新しい出会いに臆病になり、重ねた別れの取り返しの付かなさに絶望したとき、ふと中島愛さんのことを思い出した。3rdアルバム『Thank You』を初めて真正面から聞くことができた。

出会い、別れる。その向こうには何があるのか、無いのか。
3rdアルバム『Thank You』は最初から最後までその疑問に答えている作品なのだと思った。

ひとりきり生まれてきたのに
ひとりじゃないと思える
いつからか心の中に
君がいるから
1曲目『愛の重力』より

寂しがりやさん
夢は叶うよ
いつだって いっしょだよ ワタシたち
3曲目『マーブル』より

帰る場所はここにあるよ いつもここで待ってるよ
4曲目『あの日の海』より

神様 笑った日のあとは
少し寂しくなるの なぜ?
大事な友達とこの街
忘れないよ ひとりじゃない
6曲目『風色のフィルム』より

悲しいとか 寂しいとか
心の底から嬉しいとか
君の感じるすべて 見守りたい
10曲目『ありがとう』より

1枚のアルバムを貫通する「ひとりじゃない」「いつでも」「いっしょ」という言葉、思い。会えるとか会えないとか、近いとか遠いとか、そういうものを飛び越えて近くにいてくれた中島愛さんらしい別れの言葉だと思った。3rdアルバム『Thank You』を繰り返し聞くうちに出会いと別れについて考え方が変わってきた。
出会いという種から育った、別れという果実。それは悲しい終わりでは無い。ときに甘く、ときに苦い果実は大切なものの結実で、未来に繋がっている。そう思った。

中島愛さんの復帰を知って、ヴィーナスフォートでのライブの予定を見て、すぐに会いたいと思った。感謝を伝えたいと思った。自分の予定と飛行機の時間を調べた。でも、やっぱり行かないことにした。婚活の予定を守るのだ。きっと前より元気に、明るくできるだろう。そして、いつか会えるときに会いに行こう。

何が何だかわからない文章になってしまったが、中島愛さんの活動再開が嬉しい気持ちが伝わればと思う。

まめぐ、おかえり!!


Thank You (初回限定盤)

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Be With You(初回限定盤)(DVD付)

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こぶしファクトリー ライブツアー2016春 ~The Cheering Party!~ 大分公演ライブレポート

こぶしファクトリー ライブ

 随分ご無沙汰なので近況報告でもしましょうか。福岡に移住して半年が経ちました。福岡の印象ひとつ目。食べ物が美味しくて、安い。北海道でも美味しいものたくさん食べましたが、コスパ勝負なら福岡の勝ちでは。おかげで自炊を断捨離しました。ふたつ目。映画館が多い。新作映画を劇場で見たい主義なのでこれは嬉しい。見たい作品の9割は公開されているのでタイミングが合えば結構見れちゃいます。2016年は年間100本の夢が叶うかも。3つ目以降はまた改めて・・・。
 そんな福岡で僕は、普通に生活しております。朝仕事始めて、ランチに贅沢感じて、消耗しつつ終業。近所の中華屋かチェーンのうどん屋で夕飯食べて、テレビ見ながら残務片付けて就寝。文字にすると面白味のかけらすら無い感じですが、見知らぬ土地ということで何とか面白おかしく元気にやっております。ブログのネタが無くなった以外はあんまり変わっていないと思いますよ。あとは、コンタクトレンズ作ったとか、老いを感じることが増えたとか、柔軟剤ハミングにしたとか、些細な変化ばかり。相変わらず彼女もいなけりゃ、作る努力もしちゃいねえ。
 遠征してアイドル見たい気持ち、もちろんあります。それは変わるはずがない。生活が落ち着いて、仕事の先行きが見えてきて、Perfumeの年内の予定が立ちそうな今、高ぶる感情にまかせて週末の予定と飛行機と宿の予約を埋めてしまいたい、そう思っています。


こぶしファクトリーモーニング娘。℃-uteを擁するハロープロジェクトのアイドルグループです。2015年1月結成の新しいグループで、今日現在2枚のシングルをリリースしています。今回参加した"The Cheering Party!"は単独2回目のツアーで、東日本~北日本中心だった前回のツアーと対になるような内容です。産まれたてのグループのよちよち歩きのライブハウスツアー。大分公演はその千秋楽でした。
 実は知らなかったんです。そういう今で、そういう経緯で、そういうライブだということ。MCやお客さんの雰囲気で感じ取れなかったとしても、僕は同じものを感じたに違いありません。つまり、こぶしファクトリーが最高だということです。

大分まではJRで1時間30分。初めての大分県に僕は興奮していました。駅に立った瞬間、かすかに硫黄の匂いを感じます。温泉に入る予定はありませんが、大分県にいることを感じて嬉しくなりました。駅から約10分の映画館で短観上映されていた映画を見て、盛り付けまで美しすぎる定食を食べたとき、僕はすっかり満足していました。「やっぱ、もう帰ろうかな」と擦れたアイドル好きの真似をしながら、黄色信号でダッシュして会場へ。国道沿いに長く伸びる列に加わります。大分DRUM Be-0は端的に言ってアイドルを見る最高の会場でしょう。フロアの傾斜、段差、箱のサイズ、音。僕たちがアイドルに集中できる教科書のようなライブハウスだと、開演を待つ間ずっと考えていました。前後左右の客との適度な距離や、会場の過熱しすぎていない温度感、すべてがちょうど良く最高の時間を予感させるに十分でした。
 出がらしに続いて、1曲目「チョット愚直に!猪突猛進」。ライブハウスでアイドルを見ること。音楽を聞くこと自体が相当久しぶりなことに僕は気が付きました。鼓膜だけでは無く体全体が震える気持ち良さ、双眼鏡越しのコンサートホールでは到底勝てない距離の近さという価値、基本的な楽しさを改めて感じていました。そうした中ですから、"女の子と目が合った(かもしれない)"ドキドキ感というアイドルとファンの最もプリミティブな喜びに満ちていました。2曲目以降は他グループのカバー曲が続きます。というか、Berryz工房じゃないですか。盛り上がるに決まってる楽曲を1000%の倍率で使い切るこぶしファクトリー。さすが千秋楽。これが千秋楽。
 最初に目が止まったのは和田桜子さんでした。会場のことを本当によく見ていて、おかげでたくさん目が合うこと。控え目に言って好きになるでしょう。続いて、井上玲音さんの細身からは想像もできないボーカルの説得力とデコ出しの破壊力、浜浦彩乃さんのトップアスリートのような信頼感、田口夏実さんの2016年邦画における最もオトコが好きなオンナ佐津川愛美さん(今すぐヒメアノ~ルと貞子vs伽椰子を見て)に近しい説得力、野村みな美さんの観客を放っておかず何なら弄ぶ小悪魔ぶり、広瀬彩海さんの歌声に関わる身体的説得力、小川麗奈さんの背伸び感と藤井梨央さんのイイヤツ具合、などなどメンバーの魅力探しが止まらなくなります。その個性は"優等生"、"釣り師"、"元気"といったステレオタイプなキャラではありません。8人が8人とも簡単に例えたり、置き換えたり、キャラクター化することができない独自性があります。簡単には説明できない、自分以外の誰にも理解できないかもしれない個性を見つけられるならば、こんなに嬉しいことは無い。そう思うのは僕だけでしょうか。

 確かなパフォーマンスと他では感じられないオリジナリティ。そして、成長途中のきらめきと伸びしろ。こぶしファクトリーにはすべてがあります。11曲目「ドスコイ!ケンキョにダイタン」以降の楽曲ではファンを巻き込んだ合唱、13曲目「ラーメン大好き小泉さんの唄」では大きな声でラーメン大好きと叫ぶことがこんなにも楽しいことを教えてもらいました。35年生きてもまだまだ知らないこと刺激的なことばかりなのですね。
 新曲「バッチ来い青春」もとても良かったです。ハロプロ外ですが東京女子流とかつりビットが好きな人には絶対聞いて欲しいディスコチューン。映画「デッドプール」などで80年代洋楽のチャネルが開いてる人にもオススメです。両方に該当する僕はCDのリリースが楽しみで仕方がありません。

 そんなこんなで、すっかりこぶしファクトリーの虜になってしまいました。悲しいことに、大分公演は千秋楽。ライブツアーの予定はしばらくありません。僕をこんな気持ちにしておいて、世界はいつも無慈悲です。仕方ありません。抑えきれない思いは次の機会にぶつけることにします。そのときには、あとさきも今の生活も忘れてこぶしファクトリーを追いかけたいと思います。大分公演はそれだけの出会いでした。

セットリスト
M01.チョット愚直に!猪突猛進 
M02.HAPPY!Stand Up(Berryz工房)
 MC挨拶 
M03.かわいい彼メロン記念日)
M04.胸さわぎスカーレットBerryz工房)
M05.すっちゃかめっちゃか~(Berryz工房) 
 MC(メンバー回替わり)
M06.記憶の迷路(High-King) 広瀬・野村 
M07.愛のスキスキ指数 上昇中(Berryz工房)浜浦・田口・井上 
M08.君の友達(Berryz工房) 藤井・小川・和田 
M09.あいたいけど…(Berryz工房)
 MC抽選会
M10.TEKI(こぶしファクトリー新曲)「赤い公園」の津野米咲作詞作曲
M11.ドスコイ!ケンキョにダイタン 
M12.押忍!こぶし魂 
M13.ラーメン大好き小泉さんの唄 
M14.ライバル(Berryz工房)
M15.一丁目ロック!(Berryz工房)
M16.桜ナイトフィーバー 
 アンコール 
M17.バッチ来い青春(こぶしファクトリー新曲)
M18.念には念(念入りVer.)


渡邉幸愛新規が語るSUPER☆GiRLS 4thアルバム「SUPER★CASTLE」レビュー

SUPER☆GiRLS 音楽

 3月9日、SUPER☆GiRLS(スパガ)4枚目のオリジナルアルバム『SUPER★CASTLE』が発売されました。3rdアルバム『celebration』から約3年ぶりのリリースとなり、3人の新メンバー加入から始まった"第二章"の活動の集大成と呼ぶべき作品です。
 特に、僕のような"第二章"からのファン、"渡邉幸愛新規"は世界中の誰よりも首を長くして待っていたと言っても良いでしょう。

■収録曲
M01.1Welcome to SUPER★CASTLE
M02.花道!!ア~ンビシャス
M03.ギラギラRevolution
M04.ごめんね。のとなりで
M05.Interlude 01
M06.アッハッハ!~超絶爆笑音頭~
M07.イッチャって♪ ヤッチャって♪
M08.Interlude 02
M09.クラムチャウダーが冷めちゃう月曜日
M10.Don’t Stop The Party
M11.GLORY
M12.Interlude 03
M13.「サヨナラ」なんて
M14.トリビュート
M15.Happy×2 Birthday
M16.JOY! & JOY!!
M17.華麗なるV!CTORY

アッハッハ擁護派

 アルバムの中身を語る前に、これを書いている人間がどういうヤツなのかを知ってもらいたいと思います。大きく2つあります。
 1つ目は、幸愛ちゃんのParty Rockets卒業・潜伏・サプライズ加入を経て、スパガのファンになったこと。2つ目は、幸愛ちゃんが加わってリリースされたシングル『アッハッハ!~超絶爆笑音頭~』が結構好きで、擁護したいと常々思っていること。いや、確かにヤバイ曲だということは僕だってわかっています。でも、普通じゃないからこそ良さがあるというか。
 当時、幸愛ちゃんのスパガ加入が自分でも信じられないくらい嬉しかったです。また彼女のパフォーマンスが、イベントやブログで元気な姿が見られることが楽しくて仕方がありませんでした。一方で、Party Rocketsの幸愛ちゃんがもう見られないことには唯一モヤモヤが残っていました。だから、その分、幸愛ちゃんにはスパガでの活躍を、スパガには大きな変化を望んでいました。幸愛ちゃんを引っ張っておいて焼き直しの活動なんてイヤだったんですね。そんなとき、リリースされた『アッハッハ!~超絶爆笑音頭~』。SNSでタイトルが出たくらいから界隈がザワついていたことを今でもよく覚えています。"スパガの夏曲"のイメージを覆し、今まで積み上げてきたものの何割かを崩す、ふざけていてヤケクソになっているとしか思えない新曲。でも、間違っているかもしれないその選択の中には「スパガを変えたい」「固定概念を破りたい」という思いが確かにあって、少なくとも僕の胸にはそう響きました。そうして僕は擁護派になりました。みんなが悪く言っても僕だけは『アッハッハ!~超絶爆笑音頭~』を愛そうと決めました。
 さて、そんな問題曲が収録されているこのアルバム。前後を寸劇トラックで挟みつつ、アルバム全体にストーリー性を持たせるというアイデアで一体感がある作品に仕上がっています。そのアイデアが、びっくりするくらい上手くいっているという衝撃の事実。王道アイドルソングやダンスナンバーやラブソングやバースデーソングもいい曲たくさん入ったアルバムの中で、"変な音頭"が居場所を確保していること。アルバムを繰り返し聞き込むほどに『アッハッハ!~超絶爆笑音頭~』の違和感が薄れていって、「これはこれでアリかも」となってしまうのですから大したものです。みんなも・・・何人かだけでもそう感じてくれていると思います。
 そして、僕は思います。音楽は自由だ、と。正解も不正解もありません。どんな形であれ聞く人の心を震わせることができたなら、その人にとって掛け替えの無い歌があるなら、素晴らしいしそれで良いのでしょう。

作詞家シビルウォー

 そんなこんなで、どこまでも幅があり奥行きがある作品です。聞いてもらえればすぐに感じてもらえることですが、例えば、作詞家を切り口に考えるのも面白いです。
 幸愛ちゃんの超絶メールで知ってとても驚いたのですが、M04『ごめんね。のとなりで』を作詞した中原徹也さんは元々スパガのファンだったそうです。ファンが作詞家になって、好きだったグループの作品に関わる。ちょっと嫉妬してしまうくらいのサクセスストーリー。前山田健一さんが作詞・作曲のM09『クラムチャウダーが冷めちゃう月曜日』は、前島亜美さんをメインにしたユニット曲です。キュートな歌詞とメロディーが前島さんの声とぴったりで、冒頭のため息からアウトロ前のつぶやきまでもう完璧、萌え死ぬ勢いです。
 そして、『Interlude 03』に続いて作詞家戦争が本格化します。M13『「サヨナラ」なんて』で半径1メートル以内的パーソナルな恋愛のリアルを22歳の鈴木まなかさんが描いたかと思えば、M14『トリビュート』は森月キャスさんによる個人の恋愛の枠を超えた普遍的ラブソングで職業作詞家の凄みを見ることができます。考えてみれば、鈴木まなかさんが小学生の頃、森月キャスさんはSMAPに詞を書いていたわけで、両社の才能と経験を感じられるこの2曲の並びは贅沢です。
 M15『Happy×2 Birthday』のBOUNCEBACKさんは、『MAX!乙女心』『女子力←パラダイス』『常夏ハイタッチ』などスパガの代表曲を多数手掛けてきました。同じく作詞がBOUNCEBACKさんのM11『GLORY』でも感じることですが、温かくてキラキラした詞がすごく心地良いです。それはスパガが築いてきた"王道アイドル"の姿と重なります。弾けた作品でもお行儀の良さと優等生の一生懸命が感じられます。BOUNCEBACKさんはスパガの楽曲の良さを代表する音楽家だったのかもしれません。それは第二章で中心にいる作詞家・Litzさんとは明らかに違う方向性です。
 M02『花道!!ア~ンビシャス』、M06『アッハッハ!~超絶爆笑音頭~』、M07『イッチャって♪ ヤッチャって♪』、M16『JOY! & JOY!!』、M17『華麗なるV!CTORY』と最も多くの楽曲で作詞しているLitzさん。こうしてまとめて聞くとその作風に気付かされます。オリジナリティがある単語の宝庫で、反対にフレーズ間の意味の繋がりみたいなものは弱く、"物語性が強い楽曲"とは違う方を向いている作家なのだと思います。
 どちらかと言えば僕は楽曲の中から"物語"を感じるのが好きです。そんな僕にとってLitzさんの歌詞は"アイドルソングのアブストラクトアート"のようなものです。目を引く派手さと耳から離れない言葉がありながら、同じ世界と思えないくらい頭で理解しようとしても無理です。一方で、確かに心を打つ歌詞が作る波紋、つい体が動いて耳から離れないという事実、頭以外にメッセージが届いています。夢みたいに抽象的で、お祭りみたいに非日常な歌詞。だからこそ連れて行ってくれる場所があって、それがLitzさんの個性です。このアルバムを聞いてやっと知ることができた特別な魅力です。
  

SUPER★CASTLEは建設途中

 こんなにも作詞家の多様性について感じさせてくれるのは、他の部分がしっかりと作りこまれているからに違いありません。アンプに繋いでなるべく良い音で聞きたくなるサウンド。アルバムが出るまで待たされたことを補う新曲の豊富さ。コンセプトを届けてくれる曲順や曲間の工夫。スパガのアルバムは毎回そうなのですが、完成度の高さに舌を巻きます。
 そして、今作で最も強く感じたのはメンバーの存在感です。ひとりひとりの成長がはっきりと感じられます。前作以上に積極的に作品に関わる姿を見ることができます。本当の意味で子供から大人に変わろうとしていることがわかります。日本武道館への道筋でリリースされた3rdアルバム『celebration』から約3年、わかりやすい物語も大人が敷いたレールも霞んでしまった"第二章"でした。だからこそ、自分を見つめ直したスパガの声が、歌が、力強く聞こえるのです。「キラキラするために今 わたしは変わってく」。M03『ギラギラRevolution』の歌詞のように、現状よりもっと上を自分の足で目指す姿に共感します。元気と勇気が沸いてきます。"等身大"のスパガを感じられる4thアルバム『SUPER★CASTLE』は特別な1枚となるのです。
 最近行ったライブで「楽曲は我が子のようなもので、リリースされたときは生まれたばかりの赤ん坊」という話を聞きました。ライブで披露されるたびに少しずつ育っていく。ファンが繰り返し聞く中で思い出を吸い込んで特別なものへと大きくなっていく、と。『SUPER★CASTLE』も同様で、これからやっとその楽曲は成長していくのです。
 そのために、やっぱりどうしたってライブには行かねば。おそらく幸愛ちゃんがバキバキに踊ってくれるM10『Don’t Stop The Party』がどんなダンスでどんな衣装で披露されるのか、必ずこの目に焼き付けたいと思います。M17『華麗なるV!CTORY』は踊ってしまうかもしれません。どんな風にアルバムの世界が表現されるのかとてもワクワクしています。
 半年後、1年後、5年後、10年後。ふと思い出して手にする。そういうアルバムに『SUPER★CASTLE』はなるでしょう。そのとき、どんな風に聞こえて何が見えるのか。それを楽しみにじっくりと聞いていきたいと思います。


SUPER★CASTLE(初回生産限定盤)(Blu-ray Disc付)

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SUPER★CASTLE

SUPER★CASTLE


↓↓↓スパガの過去記事もどうぞ↓↓↓
chima.hatenablog.com
chima.hatenablog.com
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HKT48春のライブツアー ~サシコ・ド・ソレイユ2016~ at 日本ガイシホール ライブレポート

HKT48 ライブ

 2月6日、名古屋市の日本ガイシホールでおこなわれた『HKT48春のライブツアー ~サシコ・ド・ソレイユ2016~』に行ってきました。グループとして約半年ぶりの単独ライブ初日ということで極力ネタバレ無しで感想を語っていきます。

 個人的には12月に福岡に引っ越して初の東京以外への遠征となりました。北海道は飛行機が最善の交通手段だったので今回も飛行機を予約したのですが、福岡〜名古屋は新幹線が便利かもと後で思ってみたり。まだまだ試行錯誤と工夫が必要です。

 サシコドソレイユツアーせっかく遠征するのですから、もちろん昼夜参加です。昼はスタンド席、夜はアリーナ席でちょうど対極くらいの場所でした。ときに双眼鏡の力を借りつつ、ほとんどのメンバーの魅力を感じられた自信があります。恐るべき満足度で、HKT48を好きで良かったと何度も何度も思わせてくれるライブでした。

 例えば、矢吹奈子さん。僕みたいなのでも「今日、奈子ちゃんたくさんこっち来てくれた!」と無邪気な気持ちにさせてくれる、あの魅力は何なのでしょう。つい目を惹き付けるパフォーマンスと心を吸い込むような笑顔。ロリコンで無くても注目すべきと主張したくなります。
 それは、上野遥さん。夜の部のアンコール、誰よりも弾けていた1人のことが気になって仕方がありませんでした。それがはるたんだと気付いたとき、今までに見たことがない彼女が立っていると僕は思いました。一歩を踏み出したこと、殻を破ったこと、今このときを楽しんでいることを見せてくれました。個別行こうかなと考えさせられるくらい輝いていました。
 何より、朝長美桜さん。シビアな話、もっと目立っているメンバー、オーラを感じたメンバー、好きになってしまっても仕方がないメンバーはいました。でも、ライブが終わったとき胸の中は美桜ちゃんでいっぱいでした。圧倒的存在感。上手さや完成度や安心感、アイドルの素晴らしさはそういうものの外側にある大きなものだと僕は考えています。とても言葉では説明できないそれを"見せてくれる"だけの力が美桜ちゃんにはあるのだと思い知らされたのでした。

 ・・・こんな風に語っているとキリがないくらい。メンバーひとりひとりの個性と面白さが立ってきているのが今のHKT48なのだと思います。そして、次のステージに進もうとしていることも感じました。現在絶賛公開中の映画『DOCUMENTARY of HKT48 尾崎支配人が泣いた夜』の言葉を借りるなら「コア層もライト層も満足させる」こと。今回のツアーでHKT48はそれに挑戦しているのでしょう。
 もし、完成度の高さを求めるのなら、ファンが知っている"HKT48らしさ"が見たいのなら。サシコドソレイユツアーが期待を満たしてくれない部分はあると思います。でも、これは新しいHKT48の第一歩。未完成ゆえの綻びは成長途中の未来の証、挑戦しているからこそ生まれた試行錯誤の結晶です。

 サシコドソレイユツアーは代々木、神戸、福岡と続きます。このツアーが終わる頃、ひとまわり大きくなったHKT48がきっと見られるでしょう。やがてあの横浜アリーナを越える彼女たち、それを待つのもいいですが、現在進行形で成長中の姿を追いかけることをおすすめします。今回のツアーはその絶好のチャンス。ぜひ、どうぞ!





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『尾崎支配人が泣いた夜 DOCUMENTARY of HKT48』感想

HKT48 映画

 本当に素晴らしい作品でしたが、最初にこの映画最大の魅力をこの記事では伝えられないことを書かねばなりません。
 シークエンスごとの繋がりを意識した丁寧な編集、それを支える素材の豊富さとインタビュー力、1つ1つのカットに詰め込まれた情報量とスペシャル感。映画としての魅力にあふれた作品であることは「百聞に一見をしかず」です。・・・要は何を話してもネタバレになるという話。
 とは言え、語りたくて仕方がないという作品の魅力。できればHKT48無関心層にこそ見て欲しい、感じて欲しいと僕は思っています。

 ひとりでも多くの人が見に行きたくなるような、1回見た人がもう1回見たくなるような、そんな記事が書けますように。

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We are HKT48

 『DOCUMENTARY of HKT48』が他のアイドルドキュメンタリー映画と大きく違うのは、ファンの存在にフィーチャーしているところです。冒頭からクライマックスまで、随所でアイドルとファンの関係性が描かれます。極端な話、アイドル映画史上オタクが最速で画面に登場する映画として後世に名を残すのではないでしょうか。
 48グループに限らず、現在のアイドルとファンの関係は独特なものです。家族のように距離が近く、恋人のように繋がりは強く、一方で、他の何にも例えようがない結び付きを持っています。アイドルがいるからファンが集まる。ファンがいるからアイドルが輝く。当たり前のようなこの関係性、実は特別でユニークなものです。
 ところが、過去のAKBドキュメンタリー、アイドルを扱うドラマやアニメなどの創作作品で描かれたことはほとんどありませんでした。アイドル自身の夢や自己実現、仲間との関係性と絆がテーマとなっていました。それが悪いとか嫌だと言いたいのではもちろんありません。ただ、もったいないなあと思っていたのです。
 そんな中、ファンとの関係性を主軸に置いた作品があったではないですか。しかも最近。それは『WE ARE Perfume -WORLD TOUR 3rd DOCUMENT』です。Perfume3回目のワールドツアーに密着し、彼女たちがどのように、何を工夫して、どんな思いでステージに立っているのかを伝えてくれる作品です。見た人ならわかると思いますがこの映画、とてつもなく泣けます。僕は泣きすぎて頭が痛くなってしばらく立てませんでした。
 なぜ『WE ARE Perfume』は泣けるのでしょう。それはPerfumeがファンに対して持っている思いが伝わるからです。Perfumeの行動、言動すべてがファンに向かっていることをまざまざと見せつけられ、Perfumeを好きでいる自分やPerfumeと過ごした時間を肯定してくれるのです。
 思えば、『WE ARE Perfume』も『DOCUMENTARY of HKT48』も積極的にファンにカメラを向けています。アイドルとファンの関係性を描くとき、ファンと向き合うことは不可欠なのだと思います。当然のようにファンの気持ちもスクリーンに映り、一方通行では終わらない願いが響きます。

シンデレラのジレンマ

 ファンがアイドルに望むことは実際複雑でひとくくりにできるようなものではありません。映画では「選抜入りして欲しい」というファンの期待が描かれています。
 HKT48(48グループ)の「選抜」は部活のレギュラーみたいな仕組みです。年に数回リリースされるCDの表題曲を歌うメンバーを選び、選ばれたメンバーはCDに関わる仕事をすることができます。説明文としては本当にこれだけなのですが、その中で様々なドラマが生まれます。
 改めて言うまでもなく、メジャーレコード会社の新曲選抜は関わる人も注目する人も多く、部活とは違います。多くの要素が絡み合って決められ、選抜入りできるかどうかは天からの声に近いものです。
 それぞれに惚れ込んだアイドルがいます。やがて好きな理由、好きなところは違っても同じアイドルが好きな人が増え仲間ができます。アイドルはファンが増えたことを喜び努力し、ファン同士のコミュニティーは大きくなり、一層強い結び付きを得て、さらに高い場所を目指していきます。「村のマドンナ」から「プリンセス」になって欲しい僕たちは、自分たちにできる応援を尽くして選ばれるその日を待ちます。期待するものはまるでシンデレラストーリー。
 でも、村人の声でプリンセスは決まりません。ファンの声がどんなに大きくても、どれほど熱くても、それだけではシンデレラにはなれないのです。選ぶ側の事情や基準、その中にいくらか入ってるのでしょうが、あちら側にはあちら側のロジックがある。応援する人と選ぶ人、その狭間にいるアイドルにしかわからないジレンマがあるのだと僕は思います。

尾崎支配人の涙の理由

 『DOCUMENTARY of HKT48』1番の見所がどこかと言えば、サブタイトルの通り、尾崎支配人の泣くシーンでしょう。彼がどうして、どんな思いで泣いてしまったのか。映画で見て感じて欲しいです。
 そして、選抜会議に初めて潜入したカメラ。ピリピリした会議の雰囲気と内容がスリリングでとてつもなく面白いシーンです。そのシーンではHKT48の選抜メンバーがどんな事情や基準で選ばれるのかを見ることができます。画期的なことでしょう。
 ファンにとってのアイドルと運営にとってのアイドル、それはコインの裏表です。運営にとって女の子は商品で、様々なイベントや活動は戦術で、リリースされるCDは戦略であること。そんな「事業としてのアイドル」を大きなスクリーンで見ることはショックで「リアルすぎ」ました。
 でも、ファンと運営の立場が本質的に違うからこそ、もしも実は両者が同じ思いを抱いていると知ることができたなら、とても素敵なことだと思いませんか。尾崎支配人が流した涙。それは僕たちに近く、共感せざるを得ない涙です。大人の事情もわかるからこそ、ファンと運営の違いを感じたからこそ、アイドルが好きで幸せを願っているからこそ、尾崎支配人そして支配人・監督の指原莉乃さんと自分の気持ちを重ねてしまうのです。


 映画はひとりの少女の夢の実現と共に、これ以上ないくらい前向きで幸せに終わります。エンドロール・主題歌まで残さず味わい尽くせる隙の無さ、何より愛情の深さに涙と鳥肌が止まりませんでした。誰もが気持ちは彼女と同じ。みんな努力していて、あきらめていなくて、何より仲が良い。僕はHKT48を改めて大好きになりました。
 ぜひ、ひとりでも多くの人がこの映画を見て、HKT48を大好きになってくれると良いと心から思います。そして、できることならメンバー全員が夢を実現して幸せでありますように。


しぇからしか! (TYPE-A)

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あけましておめでとうございます

 やってきました2016年。こう書くとちょっと未来人感覚。でも、35回目のハッピーニューイヤーですから。新年だとか今年こそとかそういう気力が減っているのを実感している今です。1日1日を精一杯に面白おかしく過ごすのみ。そしたら今年も素敵な1年になるでしょう。

 2016年どんな年にしようかとぼんやり考えています、HKT48の横浜アリーナのブルーレイ見ながら。まあ、そういうことですよね。せっかく福岡移住したのでHKT48を追いかけるのが第一優先。ドキュメンタリー映画の前売り券10枚も買ってしまって浮足ストップ高です。こんなに買ってどうするんだと冷静に思います。。天神で一緒に見ましょう誰か・・・笑。
 Perfumeのアルバムとアリーナツアーも本当に楽しみです。福岡はもちろん、聖地・広島も射程圏内日帰り可能なのです。去年は武道館も代々木も見られずPerfume欠乏症な1年でした。何だかんだ言ってもPerfumeは別格に好きですし、2016年ライブが楽しみで仕方ありません。
 そして、坂本真綾さん。先日東京でコンサートを見たのですが最高でした。ほぼデビュー当時から大好きな人で、その特別さを改めて実感したコンサートでした。いつかこのブログでも感想書きたいです。1月24日福岡公演のチケット取れたので見に行ってきます。
 福岡はアイドルもアーティストも見やすくて良いですね。こんな素晴らしい場所にいるんですから、積極的に新しいドアも叩いていきたいと思います。

 あとはリドリー・スコット監督の新作『オデッセイ』がすぐ公開されますし、アメコミ大作が何本も控えていたりと楽しみな映画が多いです。マクロスΔもヤバイです。先取りエディションご覧になりました? バルキリーかっこよくて、方言可愛すぎて期待しかありません。いろいろと待ち遠しいです。

 そんなこんなで、語りたいことがたくさん待っている2016年。mixi時代アメブロ時代など数えるとこうして文章書くのも10年になります。頑張って楽しいブログにしていきたいと思いますので、今年もよろしくお願いします。


2015年ありがとうございました

 2015年の大晦日、いかがお過ごしでしょうか。これを書いている今は19時11分。もうすぐ紅白って時間です。羽田空港にいるので関係がない話ですが。とても空いているラウンジでノートPC開いているのは僕ひとり。そもそも人が少ない。止まるはずがない交通の拠点もこのときばかりは時間がゆっくり流れているように感じます。貴重なものを見ているわけですが、できることなら早く帰りたい、それが今の本心です。笑

 こんな時間にこんな場所にいること、年末の予定も決まらないうちに飛行機取らなきゃいけなかったせいです。北海道から福岡に転勤が決まったのは11月下旬のこと。それで最初にしたことが、新居探しでも親への報告でもブログ更新でもなく、年末遠征の手配だったのですから。どんだけバタバタしていたんだって話です。
 2015年はバタバタの年でした。転勤はもちろん、仕事、それ以外も。でも、僕はバタバタしている方を好みます。先が見えない? 大いに結構。予定調和の1万倍楽しいです。無茶であればあるほど生まれる面白みがあることを知ってしまっている人間の狂言ですが。
 一方で、7年住んだ北海道を離れるのは寂しいです。北国の人の温かさは本物でした。”友達100人”とは行きませんでしたが、まあまあいい線行った自信はあります。だって北見と函館、北海道の端と端に住んでたんですから。美味しい食べ物もいっぱいで随分と太ってしまいました。お腹についた脂肪も思い出の塊だと思うと名残惜しいです。・・・馬鹿なこと言ってないでダイエット頑張ります。

 2015年の話に戻ります。ここで書くのですからやっぱりこの話題。ブログのことです。今年も多くの皆さんに読んで頂き、本当にありがとうございました。2014年と比べると自分の書きたいことをより書けた1年でした。以前は書きたいことよりみんなが読みたいことを先読みして書かなきゃ気持ちがあったのですが、だんだんとそういうの気にせずにいられるようになりました。だから、余計に皆さんに読んで頂けたこと、ときどき面白いと言って下さって心から嬉しかったです。直接言ってくれれば一杯ご馳走します、というレベルです(泥酔時限定)。
 所詮は個人ブログ、変に気を遣っても仕方がないと思います。もちろん読む人の気持ちを考える想像力と自分の思いを晒す覚悟は必要ですが。2016年も僕らしくマイペースに”ちまちまと”書いていきます! ぜひぜひお付き合いください。

 2016年、福岡での新生活が本格スタートです。他にもPerfumeのアリーナツアー、マクロスの新作などなど想像するだけで鼻血が出そうな案件が目白押し。今までで1番の1年にできるように駆け抜ける気持ちビンビンです。皆さんも熱くて激しくて幸せな1年にしてください。

 それでは、改めて1年間ありがとうございました。どうぞ良いお年を!