読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

細々とこっそりとちまちまと

アイドルソングの感想・レビュー、ライブレポ。

映画「讐-ADA-」のこと

僕はアップアップガールズ(仮)のファンです。あと、そこそこの映画好きということもあってアプガの赤担当・仙石みなみと紫担当・佐藤綾乃がW主演の映画が公開されると聞いたときにはとても沸きました。(余談ですが、オレンジ担当・関根梓が好きです。いや愛してます)

映画の公開が発表されたのが6月中旬。掘ったらこんなこと言ってました。

 

僕はとても恐がりで、でもそれゆえに誰よりもホラー的な映画を楽しめることを知ってしまっていました。一番怖がってるのは自分だろうというツイートですね。

それから予告編が公開されます。

 

ビビってました。ちなみに白石監督と園監督は今ではぜんぜん違う資質だと思います。当時はまだぜんぜん白石監督のことわかっていませんでしたから。

このあと、映画「讐-ADA-」を監督した白石監督の過去作を掘りました。ホラー苦手なのにブックオフでレスキューしたり、TSUTAYAで借りたり頑張ったんですよ。「口裂け女」「ノロイ」「テケテケ1&2」「オカルト」「コワすぎ!1〜4」などを見ました。中でも、「ノロイ」を見たときは今までに感じたことのない衝撃を受けました。

 

白石監督は、本当に多才で鬼才の映画監督だと思うので語るべき魅力はもっとありますが、個人的にはこの映像作り・映像使いの上手さが天才的だと僕は思います。映画やテレビやPCで見てる映像を僕たちは無意識に”映画っぽい”、”テレビっぽい”、”PCっぽい”と判断していてそれだけの微細な違いがあることに気付かされました。そんな"異なるリアリティ"のある映像を実写で意識的に見せられたことは本当に貴重な体験で、それを感じさせた「ノロイ」は生涯ベスト級の映画です。

 

白石監督の過去作の話は尽きないので、そろそろ「讐-ADA-」のことを話します。最新作「カルト」をトークショー付きで見られた件など語りたくて仕方ありませんが。

7月29日に渋谷の映画館で限定公開していたのを運よく見られました。(ちなみにその日は僕の誕生日です)

ネタバレへの配慮もあってかあまりちゃんとしたツイートなかったのですがひとつだけ核心的なのがありました。

 

 

この通り、一部と二部で多層構造的にいろいろなことを考えさせられる映画でした。登場人物の見え方がよくもここまで180度ひっくり返ると感心させられたものです。

雑誌「DVD&ブルーレイでーた9月号」の中で白石監督も話していますが、ひとつのストーリーをフェイクドキュメンタリーとドラマの2部作で描いた世界初の映画ですから、2本見ると過去の映画人・映画好きが誰も体験できなかったことを体験できるのですよ。それだけでも「讐-ADA-」は価値ある映画ですし、それを端的に感じ取ったツイートでした。

 

その後、8月21日にDVDとブルーレイが発売されます。そのときはさすがに真に迫った感想をツイートしていました。

 

2部を通して感じたのが、映画の面白さの本質でした。

例えば、整った破綻のない物語の映画があったとして、それはそれですごくいい映画なのかも知れません。でも、そうじゃない映画もあるんです。忘れられないワンシーン、衝撃的なラスト、たった一言の名台詞どれかひとつが心に残るだけでも、きっとそれはいい映画なんです。なぜなら映画は本や音楽以上に見る人それぞれ受け取るものが違うエンターテイメントで、体験したことすべてが映画の感想なのですから。

「讐-ADA-」の2部作にはそんな映画の面白さが詰まっていて、体験としてのエンターテイメント性が最上級の作品でした。

 

アイドル映画としてもよくできていて、先ほどの佐藤綾乃の表情についての他に、もちろんもうひとりの主演・仙石みなみの表情やアクションを中心とした肉体性、出番の多い少ないこそあれアップアップガールズ(仮)、バニラビーンズ、LinQ、キャラメル☆リボンのメンバーの個性もちゃんと引き立っていましたよ。

そして、何よりもアイドル映画として凄まじいと思わされたのは、物語の中で仙石みなみ演じる美穂が発するセリフの数々です。アイドルという存在そのものが正解なのか間違いなのかまで考えさせられたり、多くの人に何かを伝える仕事であるアイドルから聞かされるとあまりに重すぎる”死の怖さ”を端的にまとめたセンテンスは映画の中でも最も衝撃的だったかも知れません。

 

復讐がテーマの映画です。

そのテーマだからこそ、復讐の全く正反対について考えさせられます。映画を見た人、これから見る人、見る気がない人もぜひ”復讐の正反対は何なのか?”を考えてみて下さい。それはきっと陰湿さも痛みもない底抜けにポジティブな概念なんだと思います。

でも、復讐もその正反対の何かも”○○したい”、”○○しなければならない”というどうしようもない衝動から生まれているんだと思います。なんて人間の衝動というものは救いがなく、代え難く大切なものなのでしょう。

こんな風に映画の面白さの本質だけじゃなく、人間そのものの哀しさまで感じさせられるエネルギッシュな作品でした。

 

最後に、これほど素晴らしい映画に僕の大好きで大切なアップアップガールズ(仮)が出演できたことを本当に嬉しく思います!

白石監督の作品もこれからどんどん発表されるようなので、引き続きチェックしていきます。

ありがとう「讐-ADA-」!