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細々とこっそりとちまちまと

アイドルソングの感想・レビュー、ライブレポ。

ちまちまアイドルソング18「乙女新党のうた」

音楽 アイドルソング

※ブログ移転後はじめてのいい機会なので、この連載のことを最初に書かせて下さい。

ちまちまアイドルソングは、奥が深くマニアックなアイドルソングの魅力の一端を僕の目線で探して紹介する企画です。紹介するポイントは「放っておけない」こと! 放っておけない楽曲やアイドルソングの魅力を知ってもらうきっかけになれば嬉しいです。

 

それでは、移転一発目気合入れていってみましょー!

 

乙女新党「乙女新党のうた」


乙女新党のうた MUSIC VIDEO - YouTube

 

乙女新党の2ndシングル「2学期デビュー大作戦!!」のカップリングです。アイドルソングの王道ジャンルのひとつ自己紹介ソングですね。これが大変によくできておりまして。注目ポイントは”楽曲構造の見事さ”です。そちらを分解して紹介してみます。

 

◎「乙女新党のうた」の構造

最初に構造の大まかな話をしますね。そんな難しい話ではなくて、イントロとかサビとかそういうのについてです。

「乙女新党のうた」は大きく分けるとこんな構造です。

 

頭サビ→イントロ→Aメロ→A'メロ→サビ(ここまで1番)

→Aメロ→A'メロ→サビ(2番)

→間奏(語り)→Dメロ→落サビ→サビ→アウトロ(曲おわり)

 

AとかDとか細かいことは僕の勝手な定義なので気にしないで下さいm(_ _)m

こちらの構造をなるべく細かく見ていきます。

 

◎頭サビ

冒頭から「これは乙女新党のことを知ってもらう曲です」と楽曲のテーマを提示します。8小節の限られた文字数の中でアイドル的な可愛さも残しつつ要約も駆使して説明っぽくならないように、とても配慮されています。正直、この頭サビだけで数ある自己紹介ソングの中でも屈指であると提示できています。

 

◎Aメロ・A'メロ

1番のAメロであれば「まずはあやめ!」、2番のA'メロであれば「最後にゆりか!」といった具合にメンバーのユニゾンによる元気な導入からはじまります。

それから1番2番で各2回ずつ繰り返されるAメロを使って4人分の自己紹介をするという展開です。その各16小節の中に、入れられる音も言葉も限られてる中で離れ業としか思えない精度でメンバーの個性が詰め込まれています。

例えば1番では、黄色担当・あやめちゃんによる8小節の自己PR、それを受けてメンバーからのツッコミが4小節、ふたたびあやめちゃんの4小節のツッコミを受けた自己PRと最後にキャッチフレーズの「栄養ドリンクビーム!」と美しすぎると言っても過言ではないです。

自己紹介ソングとして考えると、このAメロ・A'メロの部分が曲の要となり、そこの完成度が高いことがどれだけ最高なことか語る言葉がありません。

 

◎サビ

普通の曲であればサビこそが最も盛り上がる沸くべきところなんですが、「乙女新党のうた」は主役の部分をあくまで自己紹介にあたるAメロ・A'メロに重きを置いた楽曲です。そのためサビのバランスが重要です。

そこを、リズムを細かく刻み、適度に韻を踏んだ歌詞で、約170の高速BPMの勢いを生かす絶妙に沸けるバランスで仕上げています。この曲ほんとうに偉いと思います。

ライブでの盛り上がりが最重要とされる昨今のアイドルシーンではサビに力を入れすぎな楽曲にときどき出会います。結果論なら沸けるしそれでいいのかもしれませんが、メロを重ねていってサビでちゃんとアガる曲に出会うと、そんな現状だからこそ僕なんか嬉しくなってしまいます。

「乙女新党のうた」のサビは、"サビとして大切なことは何なのか"を改めて気付かせてくれる、控えめさと力強さをあわせ持っています。

 

◎間奏(語り)〜Dメロ〜落ちサビ

「乙女新党のうた」が泣けるポイントはここでしょう。

2番のサビから畳み掛けるようにおとずれる間奏では、メンバー4人が各々の自己紹介のフレーズを語りとして差し込みます。"曲の途中"という普段と違うシチュエーションで聞くことがエモーショナルを高めますし、また間奏の抑えたサウンドも絶妙です。

そこからDメロでは1小節ずつソロを重ねて、「チカラあわせて」という歌詞をユニゾンで歌う憎いくらいの徹底的エモーション。涙腺弱い人はここで泣くでしょう。

さらに、落ちサビではロック調だったサウンドを一気に落とし、今までユニゾンでずっと歌っていたサビのフレーズをソロで2小節ずつ歌って回し、後半はユニゾンに戻るという鉄板展開。ここまでやられて泣かないはずがないでしょう。

 

◎まとめ

作・編曲の浅野尚志の天才っぷりについては「そこそこプレミアム」の回などご覧いただけると嬉しいです。おすすめ曲紹介もありますよ。

その上で、「乙女新党のうた」はロジックを積み重ねて自己紹介ソング的な高みに到達している感があります。こんなロジカルなアイドルソングは珍しいです。

ロジカルでありつつ、可愛らしさとアイドルソング的ほつれへの期待感も十二分にこもっていて、やっぱり浅野曲はサービス精神旺盛だと思わされます。

乙女新党が好きとか嫌いとか興味ないとか、関係なくぜひ聞いて震えて欲しい名曲です!!