読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

細々とこっそりとちまちまと

アイドルソングの感想・レビュー、ライブレポ。

『仮面ライダー×仮面ライダー鎧武&ウィザード 天下分け目の戦国MOVIE大合戦』のこと

映画

仮面ライダー映画の新作を見てきました。このところ毎年冬はMOVIE大戦が定番ですね。これを見ないと冬が終わらない!

今日は特にウィザード編の感想を書こうと思います。鎧武の方はあんまり触れないです。あと、見る気がなくなるくらい核心的なことは書きませんけど、ネタバレもあるので真っ新な状態で映画見たい人はあとで読んでやってくださいー。

 

 

ウィザード完結編として

物語は今年9月に終了したテレビシリーズの後日談としてはじまります。主人公の操真 晴人はヒロイン・コヨミの魂が封じ込められた“ホープ”の指輪を眠らせる場所を探して旅をしていて、そこで最強のファントムとなるべく晴人の中のドラゴンを狙った謎のファントム・オーガに襲われてしまいます・・・。

直接的なウィザードの映画としては、昨年冬の『仮面ライダー×仮面ライダー ウィザード&フォーゼ MOVIE大戦アルティメイタム』、今年夏の『劇場版 仮面ライダーウィザード in Magic Land』に続く3本目となります。過去の映画もそれぞれ別々の魅力があって大好きなんですよ。

個人的にウィザードが大切な作品である理由のひとつが、ヒロインのコヨミを奥仲麻琴が演じていることが大きいです。奥仲麻琴(まこっちゃん)はアイドルグループPASSPO☆のメンバーで僕の推しメンなので。応援してる人が出ている作品ですし、テレビシリーズを通してすごくまこっちゃんに感情移入する構造になっていたこともあって特別な印象を持っていました。

今回の映画ではそもそも復活してるし変身して仮面ライダーになるし、とコヨミの映画だったと思います。本編はコヨミと晴人の関係と行く末だけを描いたと言ってもいいくらい小さな物語。テレビシリーズと前の映画では、ふたりの結び付きの強さの本当のところがうまいことぼやかされていた感じがあったので、見たかったものが見られたと思いました。

テレビシリーズのファンにとっては見たかったシーンや思い出にあるシーンが直接的に見られる映画となっています。総集編とか思い出描写とかではなく、ある意味斬新な手法で見られます。絶対に映画館のスクリーンで見た方がいいですよ。大きな画面で見られるチャンスは二度とありませんし、DVDでやっぱりテレビで見るとか心底もったいないです。

ウィザードのファンなら大納得の映画になってると思いますし必見です!

 

田崎竜太監督

とっても楽しみにしていた映画でしたが不安なこともたっぷりありました。だって田崎竜太監督の作品ですから!笑

とってもクセがある監督だと思ってます。特殊効果や合成の使い方はすごくうまいですし、戦闘シーンの見た目のカッコよさには毎回ワクワクさせられます。でも、ストーリーテリングが苦手なのかお話として良いときと良くないときの差があるというか。流れが雑なことがあります。(今回の鎧武とか)

個人的に一番気になるのが、物語のリアリティを曖昧にする傾向が監督なことでした。どこからが本当の話で、どこまでが冗談なのかネタなのかわかりにくいんです。リアルさが大事なポイントである平成仮面ライダーの中で、そんな特性がきっちりハマってるときもあれば、ぜんぜん駄目なときもありました。その度に一喜一憂してた身としては素直に期待できない現状でした。

それがなんと、ウィザード編ではきっちりハマってたのですよ!! 今までで一番良かったかも!

理由はふたつあります。ひとつは、さっき書いたようなリアリティが不安定な資質が良かったです。日常と魔法、現実と非現実、魔法と願い、生者と死者が混ざりあって構成される今回の映画では、田崎監督の作風がフィットしていました。

もうひとつは、田崎監督が主人公を人間臭く描ける人だったことです。過去2作を思い出すと坂本監督の『アルティメイタム』では強くて決して折れない晴人、中澤監督の『Magic Land』ではドラマチックで王道ヒーローとしての晴人でした。今作では折れないヒーローとしてではなく、優しく人間としての晴人が描かれていて物語にハマっていました。

クライマックスの戦闘シーンで見ている方が恥ずかしくなりそうな状況で戦うんですが、それがなかなか上のような絶妙なバランスのおかげで、すごくいいシーンになってるんです。あの感じは田崎監督じゃないと無理ですし、その一点だけを取っても必見な映画ではないでしょうか。

 

“心霊映画”として

『クロユリ団地』の脚本や、『7つまでは神のうち』の監督などホラー作品で知られる三宅隆太監督が提唱する“心霊映画”という概念があります。

“幽霊、ゴースト、お化け”といった言葉からイメージされるものとは少し違っています。心に着目した霊的な存在のことで、生きている死んでいるに関わらず時間が止まってしまっているもののことです。

詳しくはこちらの動画などご覧ください。

ウィザードは時間が止まっている人間の物語でした。コヨミは人形であり生者とは違う存在ですし、最大の的は親しい人の死を受け入れられず過去に生きることしかできない人物でした。そして、主人公の晴人も。

コヨミは晴人の魔力がなければ“生きていることを維持できない”存在です。それは実は晴人も同じなのです。ふたりの関係は恋人関係、家族関係を超えた結びつきであり、もはや依存と言っていいものだと思います。

今回の映画では、テレビシリーズで消えたコヨミが再び“生者”の形で登場します。今作の適役の仕業ではありますが、同じように晴人が原因であり、自覚しないまでもコヨミに依存し、離れられなかった結果でしょう。つまり、今作のコヨミは三宅監督の言うところの“心霊”そのものであり、それにとらわれている晴人を描いた物語はまさに“心霊映画”だと思いました。そう考えるときっと物語の不可思議な展開も飲み込みやすくなりますね。

“心霊”に囚われ、目の前に敵として現れることはどれだけ悲しいことでしょう。でも、それと対峙することで晴人は自分が依存していたこと、コヨミという存在の大きさに気付き、それを否定することなく抱きしめる晴人は間違いなくヒーローだと思いました。

これはただの映画の中の話ではありません。

僕たちの心にもときおり時間が止まった存在が現れます。死んでしまった友人や家族、きっともう会えない古い友達、別れた恋人や叶わなかった片思いの人、そして卒業してしまったアイドル(笑)

そういったものに囚われて暗い絶望に引きずられてしまうこともあります。

一方で、囚われていることと向き合い、逃げず、受け入れて、ポジティブな存在として受け入れて背負って生きていくこともできるはずです。そんなことを思わされました。

 

 

そんなこんなで、今回も長くなりましたねー(^^;;

最後まで読んで頂いてありがとうございます!

すごくよくできていて貴重な映画となってますので、これ読んで「見に行こう!」ってなる人がひとりでも生まれたらこんなに嬉しいことはありません。

どうぞよろしくお願いします!!