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細々とこっそりとちまちまと

アイドルソングの感想・レビュー、ライブレポ。

「麦子さんと」と「もらとりあむタマ子」のこと

タイミングよく見たい映画を東京で見られました。どちらも親の存在が大きい映画で“モラトリアム邦画”2本立てにしちゃった気分です。

 

麦子さんと

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幼い頃に出て行った母が帰ってきて共同生活が始まります。ギクシャクした生活が続く中で母は他界し、納骨のために初めて訪れた地元で主人公は母の過去に触れます。
 
主人公・麦子役の堀北真希が抜群にいいです。吉田監督が彼女に惚れていて、魅力を伝えたくて仕方がないことが画面から伝わってきました。それは、女性としての可愛さや女優としての技術だけに収まらず、堀北真希という人間の魅力そのものすら伝えてくれていると思いました。物語、登場人物と向き合って役を全うしようとする真面目さを感じて魅了されました。
温水洋一も母の地元のタクシー運転手として出てきます。温水さんの出てくるシーンは全部いいです。笑っちゃいますし、映画の雰囲気を緩くしてくれます。
松田龍平は、僕もファンなんですけど、野暮ったくて少し駄目な感じの兄がマッチしてて、まあ満足でした。出番もう少し多くても嬉しかったですが!笑
 
母と娘の話で、遅れてきた反抗期の話としての感動みたいなものも十分に味わえます。そこを期待して見に行ってもらっても十分に楽しめます。そんな中で、僕は枝葉の部分に宿るずっしりと重い何かを感じてしまいました。
若い頃の母と同じ顔に生まれてしまった主人公・麦子は、母と同じように身の丈より大きい夢を持ってしまっています。他にもきっと麦子と母はよく似ているところ、同じような考え方、人との接し方があるように思えます。そうした受け継がれるもの、“同じ血が流れていること”を感じてしまう映画でした。
映画を見ている間、どうしたって自分の親のことを考えてしまう映画です。親と似ている自分と向き合ってしまいます。それはもどかしいしくすぐったいことで、重さも感じてしまいますが、同様に何かが繋がっていることを示しています。
(ポスターの煽り文は個人的にどうかと思いますが)感動して、いろんなこと感じられる映画でした。
 
 

もらとりあむタマ子

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大学を卒業したが就職せず実家であるスポーツ洋品店に戻った主人公・タマ子の同居する父親やその家族、近所の中学生などとの交流を描きます。
元々はCSチャンネルM-ONのステーションID企画として作られたもので、監督・山下淳弘と主演・前田敦子の『苦役列車』以来のコンビも話題です。
 
そういう少し変わった映画です。78分の短い中に『サザエさん』とか『ちびまる子ちゃん』的な小さくてしょうもない(笑)エピソードが詰まってます。タマ子と父、タマ子と中学生など会話が面白くて何回も笑っちゃいました。すごくよくできたコメディ映画でした。
 
こちらも、前田敦子がとてもいいです。映画主演は『もしドラ』、『苦役列車』、『クロユリ団地』と続いてますね。独特の存在感がある人です。本人の姿や雰囲気はスクリーンによく映えて、耳に残る声はちゃんとした音響で魅力を増します。演技の技術的なものはまだわかりませんが、映画女優として今の時代に求められるものを持っている人です。また本人も映画がすごく好きで年間100本ペースで映画館に通っているとか。映画と前田敦子は相思相愛なのでしょう。
前作は中田秀夫監督、今作は山下淳弘監督、次作は黒沢清監督と映画好きに嬉しい作品が続いています。今は、僕たちの好きな映画に出ている“僕たちのあっちゃん”状態ですよ! そんな今が嬉しいですし、できるだけ長く続いて欲しいです。
 
映画を通して、大きく何かを成し遂げたり、困難や成長はほとんどありません。そういう映画じゃないです。それが今作のモラトリアムというテーマには合っていて、やはり自分のモラトリアム期間を思い出してしまいます。僕だったら大学1〜3年かなあ。
ときどき見直したくなるような映画に違いありません。映画の中のタマ子に会って、素敵なシーンに笑わされて、元気をもらえる映画でした。
 
 
最後まで読んでもらってありがとうございます! 感想お待ちしてます(^^)
どちらも誰もが自分を重ねられる映画でした。
ぜひ皆さんもご覧になってくださいー!