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ちまちまアイドルソング25「虹色モザイク」

アップアップガールズ(仮)『虹色モザイク』


虹色モザイク 初披露 アップアップガールズ(仮) - YouTube

アップアップガールズ(仮)の今年8枚目(!)のシングルが本当に素晴らしかったのでちまちま語らせてもらいます。

 

「振り先」

春の朝ドラ『あまちゃん』でプロデューサーが「振り先」という何とも奇怪な方法で曲を作ってるというくだりがありました。歌詞が先にあってそれに合うメロディーをつけるのが「詞先」、メロディーが先で歌詞が後なのが「曲先」、詞も曲もないのに振り考えてそれに合う詞と曲をつけていくのが「振り先」というものです。『虹色モザイク』はほとんど「振り先」で作られた曲ですよね。

サビで「君に」が繰り返される曲です。何度も何度も歌われる「君に」に対して、客席を指差すようなダンスの振り付けがされています。そりゃあそうですよねって話です。おそらくこのテンポで、このメロディで、この歌詞を成立させるには指差しの振り付け以外にないと思います。そんな中に恥じらうように振り返る感じをプラスしてる竹中夏海先生恐るべしですが、これはこれで長くなるので別の機会に。

そんな「振り先」として作詞・作曲をしたのはPandaBoYさん。思えばアプガの代表曲『アッパーカット!』も、あの振り付け以外に考えられない曲でした。

 

間奏と足し算 

僕が何よりこの曲に感動しているのは、ちゃんとした間奏があることです! 僕は間奏を聞くために音楽を聞いていると言ってもいいくらいの間奏大好き人間なので。アプガの曲は本当に間奏が少ないんですよねー。

PandaBoYさんの楽曲の特徴として現場で使いやすいことがあります。『アッパーカット!』、『マーブルヒーロー』、『チョッパー☆チョッパー』、『SAKURA DRIVE』、『サマービーム!』どれも歌って踊ればまず鉄板で盛り上がって、初見でもフックします。

PandaBoYさんの楽曲はサービス精神が旺盛なんです。そして足し算で作られてる感じです。PandaBoYさん自身がDJとしてプレイすることがある人だからなのか、僕には現場の盛り上がりから逆算して曲を作っているようにすら思えます。作りたい曲に合わせて色んな要素を盛り込んでいって、フロア(現場)が“100%沸く機能を搭載”した曲ができあがっています。Perfumeでもお馴染みの中田ヤスタカの楽曲もそういうところがありますね。

そう思うと、さっきの「振り先」の話に合点がいきます。アイドルソングとして“100%沸く機能を搭載”するためには振り付けについてもコントロールしなきゃですから。

『虹色モザイク』の間奏はすごくよくできていて、無駄もなければ蛇足感もありません。全部のフレーズ全部の音に意味があるんです。例えば、イントロでは「この曲は実は切ない曲」って教えてくれますし、落ちサビ前はエモーションを蓄えさせてくれます。

“100%沸く機能を搭載”しているPandaBoYさんの曲はいつも機能的で、無駄が少ないのも特徴なのかも知れません。

 

会いたさの曲

そして、「この曲は実は切ない曲」なんです。

繰り返される「君に」という歌詞。曲の中に主語はひとつも出てきません。そのまんま“アップアップガールズ(仮)からファンへのメッセージソング”と受け取ることが一番なのでしょうが僕にはそれだけとは思えません。

前のブログなどで何回も話してることですが、アップアップガールズ(仮)はファンが自分を重ねやすいアイドルです。一度選ばれなかった彼女たちの姿はきっと何者でもない自分たちの姿を重ねやすく、必死で全力なパフォーマンスはダイレクトに自分たちが明日を頑張る力になります。

アップアップガールズ(仮)が「君に」と歌うなら、送り手と受け手は簡単に反転します。少なくとも僕がこの曲で感じる「君に」はファンたちではありません。アップアップガールズ(仮)のことです。だからこそ、切ないのです。アップアップガールズ(仮)にもっと会いたくなるのです。会いたいと切ないはほとんど同義語なんじゃないかってくらいに切なくなります。

ある時期以降、アイドルとファンは“会いに行ける”ことが当たり前になりました。僕たちはそれなりに頑張ればアイドルに会って握手して言葉を交わすことができるようになりました。それはファンにとって、そしてアイドルにとっても大きな転機だったと思います。

アイドルがいなければファンが成立しないのと同じように、ファンがいなければアイドルは成立しない存在だと思っています。多かれ少なかれ、お互いがお互いを求めていて、お互いに「君に会いたい」から僕たちは本気で応援して、彼女たちは全力でパフォーマンスできるのではないでしょうか。そんなアイドルとファンとの関係を意識しやすいのがアップアップガールズ(仮)だと思っています。

『虹色モザイク』を聞くと、きっと他のアイドルが好きな人たちにも“会いたい気持ち”が連鎖していくと思います。どんなグループのファンも一番好きなあの子に会いたいはずですから。『虹色モザイク』はアップアップガールズ(仮)だけの曲ではなく、もっと広く大きく、多くのアイドルファンにとって“刺さる”曲に、大事な曲になるだけの何かを持っている曲です。

つまり、いつか新しいアイドルソングのアンセムとして育ってくれる曲と言い切っていいのではないでしょうか!!!

 

 

そんなこんなで、今日も長くなりましたー。

最後まで読んで頂いてありがとうございます。アプガのファンじゃない人にも聞いて欲しい曲なんですよ。ほんとに。

そういう人はぜひ聞いて感想聞かせてください(^o^)/

よろしくお願いします!!