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細々とこっそりとちまちまと

アイドルソングの感想・レビュー、ライブレポ。

ちまちまアイドルソング44「始まりのうた」/乙女新党

乙女新党『始まりのうた』

 

始まりのうた

始まりのうた

  • 乙女新党
  • J-Pop
  • ¥250

 

過去に『乙女新党のうた』を紹介した記事を書いています。

ちまちまアイドルソング18「乙女新党のうた」 - 細々と、こっそりと、ちまちまと

(これ読まなくても今日のブログ大丈夫には書きますが、よかったら読んでみてください〜)

 

読み返して思い出したのですが、はてなブログに移転して一発目だったのですね。これを書いたとき、細かくAメロとかサビとか分解して説明した回なのですが、当初はTwitterで簡単に済ませるつもりだったのです。なので、使ってるTwitterのアプリに下書きが残ってます。それが、書いてるうちに止まらなくなって、こんなちまちました長文になってしまいました。

 

『始まりのうた』はそんな『乙女新党のうた』と続編的な楽曲で、対になっているという印象を持ちました。

 

『乙女新党のうた』は自己紹介ソングです。Aメロなどはソロパートでそこでは4人のメンバーが自分のことを歌い、サビではユニゾンでグループを紹介する構造になっています。あくまで曲の中心はソロパートが歌われるAメロなどの部分で、サビが控えめに作られているバランスです。同時に、自己紹介をパッケージして“覚えてもらう”目的で意図的に同じメロディーが繰り返されます。

 

『始まりのうた』ではどうでしょう。

AメロBメロはやはりソロパートで、そこでは過去のことが歌われます。乙女新党が結成され4人で活動してきたこと、その中で生まれた思い出。それは、歌が進む中で遠い過去から近い過去になっていき、「今を生きているということ」の部分でついに“今”に追いつきます。

楽曲は、最初はピアノ伴奏だけのシンプルなサウンドで、1番のサビでギターが加わり、2番からバンドが入ります。2番のサビではバイオリンが加わり、落ちサビ前の間奏ではオーボエがさらに混じり後半になるほど勢いがある編成になっていきます。

そして、ユニゾンで歌われるサビは、とても力強く美しいメロディーを持っています。乙女新党の楽曲の中でも、浅野さんの過去の曲の中でも、近年のアイドルソングの中でも出色の“美メロ”だと思います。

『始まりのうた』は曲を通して過去から未来へ進む楽曲です。『乙女新党のうた』がメロディーを反復させて曲の中の時間が止まっていたのとは対照的です。後ろに行くほど勢いが増すサウンドも同様でAメロBメロで歌われる過去から、曲が終わった先にある未来に向かって盛り上がり続ける印象です。歌詞とサウンドのそうした仕掛けが、圧倒的な“美メロ”であるサビにさらに力を与えていき、最後の大サビで最大のエモーションを発揮します。

 

『乙女新党のうた』は自己紹介ソングでした。アイドルソングの王道中の王道なジャンルです。

同じように、妄想の歌、2学期デビューの歌、受験の歌、卒業の歌、乙女新党が歌ってきた楽曲はそれがどんな歌なのかシンプルに説明することができます。シンプルなコンセプトの中に、僕たちが共感してしまうメッセージが詰まっている歌であることが、乙女新党の強みであり、ファーストアルバムが素晴らしい内容だったポイントだと思います。

そんな中、サビが強く、後半に向けて盛り上がるという音楽として王道な構造を持っているこの曲だけは、簡単にジャンル分けすることを許してくれません。思い出の歌であり、別れの歌であり、再会の約束の歌であり、同時に、それ以上の可能性がある歌です。他のアイドルソングとして優れていた楽曲群とはまったく違う価値がある歌だと感じます。

これは乙女新党が、初めて音楽の奥深さと力強さそのものを味方にした歌で、初めて誰かのためじゃなく歌った歌で、初めての本当の自分たちの歌なのです。

 

曲は最後に、再びソロパートに戻ります。歌が終わった後には、少し長すぎるアウトロのバイオリン。4人の道が別々になるみたいで寂しいですけど、悲しいだけの別れではありません。

葵わかなちゃん、荒川ちかちゃんの新しい道と、高橋優里花ちゃん、田尻あやめちゃんの乙女新党としての活動を『始まりのうた』は照らしてくれる歌なのですから。

 

 

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