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細々とこっそりとちまちまと

アイドルソングの感想・レビュー、ライブレポ。

ちまちまアイドルソング50「サンシャイン日本海」/Negicco

Negicco『サンシャイン日本海』

新潟在住の3人組アイドルユニット・Negiccoの新曲は、田島貴男ORIGINAL LOVE)のプロデュースとなりました。「アイドルの曲を作るのは初めてだった」と田島さんは話しますが*1、アイドルソングとしてとても面白い楽曲でした。

 

何度も書いていることですが、アイドルソングの魅力は多様性です。音楽ジャンルの要素を貪欲に取り入れて、様々なチャレンジを受け入れる懐の深さがアイドルソングにはあり、だからこそ『サンシャイン日本海』も色んな顔を見せてくれています。

 

イントロはグループサウンズのようにどこかコミカルで、メロディが強いAメロBメロは王道の歌謡曲のような今とは違う時代感があります。そして、サビは70年代ロックのような優しさがあり、全体を貫いているのは渋谷系的なオシャレさです。楽曲の要素をひとつひとつよく聞いてみると、結構バラバラなものが集まってできていることがよくわかります。

これらを安易に“田島節”とまとめてしまうことに僕は賛同できません。田島さんが「初めて書いた」アイドルソングには、もっと深い意味が、この形でなければならなかった必要があるはずです。

 

『サンシャイン日本海』のMVは8mmフィルムで撮影されています。独特な味がある映像が、新潟の景色を、日本海の夏を、そしてNegiccoの3人を時代を飛び越えたものにして、共感できるノスタルジーを感じさせてくれます。田島さんが『サンシャイン日本海』について“普遍性がある”と話しているのは、まさにこのことだと思いました。

懐かしさを感じさせつつも、実は、いつの時代の楽曲でもないサウンドの『サンシャイン日本海』は、様々な音楽的チャレンジの成果です。その挑戦に勝利させているものは、他ならぬNegiccoの歌声であり、3人のキャラクターです。必然性があるソロパートの個性と重ねられたハーモニーの調和を両立できるグループはそれほど多くはなく、『サンシャイン日本海』ではNegiccoの歌の強みがこれ以上ないくらい生きています。

やはりこの曲はNegiccoのためのものであり、そのことは田島さんが「アイドルの曲」を作ることで表現したかったものに通じているように思います。

 

『サンシャイン日本海』は懐かしさや、爽やかさだけではなく、寂しさや、切なさも聞く人に感じさせます。やがて来る夏への期待と、終わってしまった夏の虚しさ、そのどっちつかずな気持ちを閉じ込めた楽曲です。それは夏のことだけではなく、そのまま、田島さんが思うアイドルの魅力であり面白さなのではないでしょうか。他の音楽表現とは違う形で、夏のこと、青春のあの日のことを歌にしたものがこの曲であり、田島さんが「初めて作ったアイドルの曲」で挑戦し、作品にしたいテーマだったのだと推測します。

 

これほどまで楽曲として突き抜けていて、作家の意志が強いアイドルソングも珍しいと思いました。そして、田島貴男さんの創作意欲を受け止め、新しい表現を成り立たせるNegiccoはさすがですし、アイドルソングの懐の深さについても考えさせてくれる機会になりました。

何でもアリなアイドルソングだからこそ、枠にとらわれずチャレンジ精神がある楽曲が僕は好きです。

 

そんなこんなで、聞けば聞くほど味が出る楽曲ですし、CDで聞くとすごく良さがわかります。ぜひお手元にどうぞ!

 

 

サンシャイン日本海 [CD+DVD] 初回限定盤A

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*1:Negicco新曲は田島貴男プロデュース!「サンシャイン日本海」7/22発売 http://tower.jp/article/news/2014/06/02/n800negicco