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細々とこっそりとちまちまと

アイドルソングの感想・レビュー、ライブレポ。

ちまちまアイドルソング62「夢の砂〜a theme of @JAM 〜」/@JAM ALLSTARS 2014

@JAM ALLSTARS 2014『夢の砂〜a theme of @JAM 〜』

8月31日に横浜アリーナでおこなわれた@JAM EXPOのテーマソング。チケットの特典として入場時にCDが配られていました。

@JAM EXPOの出場者の中で、でんぱ組.inc、Cheeky Parade、アップアップガールズ(仮)、Dorothy Little Happy、東京女子流から5人が選抜されたユニークなオールスターソングで、作詞・作曲・編曲はヒャダインこと前山田健一さん。安易にこうくくるべきじゃないと思いつつ「最強の布陣」と書きたくなってしまいます。

 

 

5つの歌

歌い出しは、でんぱ組.inc相沢梨紗。さすがヒャダイン曲を歌い慣れていて、楽曲の世界に引き込んでくれます。今のアイドルシーンの功労者であるヒャダインと、現在シーンを引っ張っているでんぱ組.inc、そういう視点で聞くと感慨深さが増すような気がします。相沢梨紗の歌から、大きく育ったアイドルシーンの存在感を感じることができます。

 

5人の中で最年少であるCheeky Paradeの鈴木真梨耶。歌の実力的にも5人の中でどうなのと考える人もいたかもしれませんが、それは少し前の彼女のイメージです。『Together』でセンターをやり遂げ、大きく成長した「現在進行形の」鈴木真梨耶は、歌えるメンバーが多いCheeky Paradeの中でも独自の歌を示しています。そんな鈴木真梨耶の歌から伝わるのは、アイドルの成長の可能性そのものです。

 

楽な道は無く、運の要素も大きい世界です。その中でも異色なのがアップアップガールズ(仮)でしょう。1度は居場所をなくし、それでも夢を諦められず立ち上がった彼女たちと関根梓の歌。その歌は、とても堂々としていて、伸びやかで、歌う喜びに満ちています。無謀なくらい全力にがむしゃらに走ってきた歌声には、ネバーギブアップ精神と、負けん気がつまっています。

 

今や全国に無数にあるアイドルグループ。様々な個性がある中で「表現力」の点で図抜けているのがDorothy Little Happyに違いありません。揃える意識、5人の個性、何より観客に何かを届けたいという気持ちが強いグループだと思います。高橋麻里の優しく、誰とでも混ざるようで、芯を譲らない歌はそうした表現への欲求と向上心の塊のようで、アイドルの持つ信念を代表しているようです。

 

「夢の砂〜a theme of @JAM 〜」の鳥肌ポイントのひとつが新井ひとみのソロパートでしょう。横アリで披露されたときも、音源でも、明らかに他の子とは違う「何か」を受け取ってしまいます。それは東京女子流の歌を聞いたとき以上に強く感じます。つまり、他の4人も含めて持っている資質、磨いた技術のレベルが違うということなのかもしれません。そうして新井ひとみの歌がアイドルの一流さを感じさせてくれます。

 

存在感、可能性、負けん気、信念、一流さ。

個性も成り立ちも、今いるポジションも違う5つのグループ、5人のアイドル。だからこそ、それぞれがアイドルにとって大切なものを代表していて、普遍的な魅力を与えています。

この歌を通して、アイドルすべてのアンセムとして意味が込められている楽曲なのです。

 

 

手を重ねよう

曲名に何となく違和感を持つのは僕だけではないはずです。「砂」と「夢」はあまり並べて使われる言葉ではなのですから。

そもそも「砂を噛む」「砂をかける」「砂上の楼閣」「砂にする」など、ネガティブな意味で使われるものばかりです。あまりに細かく、広がりがあり、どこにでもあるのが「砂」ですから。だからこそ、「つかめそうで すり抜けていく」と「夢」と「砂」を重ねて例えた歌詞はこの曲の大きな魅力です。そこには切なさと儚さがあり、同時に、多くの手を重ねることができれば、ひとりではつかめない夢もつかめるというメッセージが込められています。

@JAM EXPOでは100組のアイドルグループが出演し、横アリには1万人を越えるファンが集いました。抱えた思いや目指しているものが違ったとしても、みんなでひとつになるからできること、見られる景色、叶えられる夢があるはずです。その第一歩が、あの日のお祭りであり、あの日できた絆であり、あの日もらった力です。

これからも@JAMの活動を通して、重なる手が増えていき、もっと大きな夢をつかめる日が来ること、そんな願いと誓いが込められた楽曲なのだと思いました。