読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

細々とこっそりとちまちまと

アイドルソングの感想・レビュー、ライブレポ。

ちまちまアイドルソング63「VICTORY」/palet

 PASSPO☆の妹グループ・paletの3rdシングルは、6月に新加入した中野佑美を含めて再び7人体制でのリリースです。そんな区切りもあって、グループの魅力について考えてみたくなる楽曲でした。

 

 改めて「paletらしさ」について考えてみると、それはメンバー個々の色の強さです。色同士が混ざり合って力を増すという意味でPASSPO☆とも共通した魅力であり、グループアイドルの強みです。
 ルックスの良さや王道アイドルとしてのグループの方向性に対して、そこに混じる色があって、「paletらしさ」はそこから生まれているように思えます。

 paletのキャッチコピーは「王道ピュアアイドルの究極形」というものです。特に初期作品では、歌謡曲的な懐かしさがある楽曲で、どのメンバーにも歌割りがあって、拙さが残る歌唱と組み合わさってアイドルソングの王道的な魅力が生まれていました。それは、楽曲と成長途中の少女たちの歌というギャップを元にした構図であり、王道アイドルソングを生む正攻法です。

 



王道アイドルソングとpaletの個性 

 3rdシングル『VICTORY』では作曲に林田健司さんを迎えています。林田健司といえばSMAP『青いイナズマ』、関ジャニ∞『イッツマイソウル』などを手がけた作曲家です。ダンサブルでどこかムード歌謡的な怪しさがあるメロディーを持ち味としており、東京女子流『Bad Flower』も記憶に新しいです。
 林田健司さんのメロディーを元に、「王道アイドルソング的アレンジでで作られた『VICTORY』はアイドルソング的楽しさが詰まっています。メンバーの成長が感じられる背伸びした歌詞や、新メンバー・中野佑美加入による初々しさ、7人の歌はそれぞれに個性が出ていて聞きどころが多い楽曲です。

 

 『VICTORY』はそうした楽曲が持つべくして持っている魅力に加えて、「paletらしさ」の正体も伝えてくれます。
 それは、メンバーごとに歌割り、見せ場があるpaletには拙さを隠せない瞬間があり、誤摩化せないことが意外と多いことです。だからこそ、ひとりひとりの責任や負担がちゃんとあり、7人のキャラクターや人間らしさが普通は見えない部分まで『VICTORY』から感じることができます。
「palet=王道ピュアアイドル」という構図に違和感を持つ人は少なくありません。僕もそんなひとりでした。その違和感がどこから来るものなのか、みんないろんな理由があると思いますが、『VICTORY』に表現されているような「アイドルらしさ」と「人間らしさ」が並列することによる混乱も大きな理由のひとつなのだと思います。

 

「アイドルらしさ」と「人間らしさ」

 「アイドルらしさ」と「人間らしさ」は矛盾する価値観です。アイドルファンは幻想を求めて個々の人間性を見たくないときも少なくなく、何かを演じることでアイドルであろうとすることはもはや普通のことです。近年では境界線が曖昧になっているとされていますが、案外そんなことはなく、TPOに合わせて使い分けがされているという現状だと考えます。それがpaletには当てはまりません。
 paletは「アイドルらしさ」と「人間らしさ」が並列して同時に提示されているグループです。その「人間らしさ」に結構クセがあって、「アイドルらしさ」の枠からはみ出てしまっていると感じることがあります。その上で、双方に価値があるものとして見せていることが彼女たちの強さであり、面白さであり、「paletらしさ」です。

 

 ここ最近インタビューなどで「好きなアイドルはpalet」と答えるアイドルがとても増えてきています。paletから見える「人間らしさ」に同じ職業として感じるものもあるのだと思います。
『VICTORY』はそんなpaletの魅力を増して感じられる作品でした。

 

 

 

VICTORY【Type-A】

VICTORY【Type-A】