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細々とこっそりとちまちまと

アイドルソングの感想・レビュー、ライブレポ。

ちまちまアイドルソング64「キミといたナツ」/NEO from アイドリング!!!

 アイドリング!!!新メンバーを中心とした7人組ユニット・NEO from アイドリング!!!(以下、NEO)の3rdシングル。グロッケン風の叙情的なインストから入って、遅めのBPMの頭サビ、一気に加速して曲に入る展開に、はじまって30秒くらいでカタルシスが感じられるハイテンションチューンです。
 NEOの楽曲には振り切った魅力があります。過去作を振り返りながらその魅力について考えます。


NEOの戦略

 1stシングル『mero mero』はNEO期のアイドリング!!!加入わずかな期間でユニット結成、リリースとなった作品です。ドキッとするような歌詞と、音圧が強く派手なサウンドがユニークで、1度聞いたら忘れられないような個性があります。歌割りもよく工夫されていて、特にNEO期の5人からは初々しさ以上に強烈なキャラクターを感じられます。デビュー曲として、これ以上ないくらいに、グループとして、メンバーとしての個性が出てキャラが立っている楽曲でした。

 2ndシングル『Sakuraホライズン』は4月リリースの卒業、旅立ちをテーマにした作品です。高速BPMと四つ打ちサウンドの力強さに歌詞の世界観が合わさって、「地平線を越えて進む」的な超ポジティブソングになっています。別れの寂しさ、出会いへの期待と不安といった春ソングの定番であるセンチメンタルを押しやって、自分を変えたい季節、生まれ変わりたい季節としての春を歌っているのが好きなポイントです。

 こうして並べてみると、テーマ選びとサウンド作りにグループの戦略があることに気付きます。
 1stシングル『mero mero』では「キャラを立てる」というテーマに合わせて一発で耳に残るサウンドと歌割りを用意し、2ndシングル『Sakuraホライズン』では「自己改革と春」にテンションが高くパワフルなサウンドと高速BPMで仕上げました。
 どちらも歌詞の内容と曲調のツインエンジンでテーマを語っているような過剰さがあります。こうしたオーバーアプローチさがNEOの楽曲の面白さであり、オリジナリティです。

NEOの夏

 3rdシングル『キミといたナツ』の冒頭のカタルシス、過剰に装飾されたサウンド。ボーカルには感情が込められていて、トータルでまるで青春ドラマや演劇のような楽曲内世界を表現しようとしていることが伝わってきます。

「キミといたナツが今 遠ざかっていく」

 この歌詞には、夏が終わる寂しいその瞬間を切り取りながら、忘れられない夏のことを何度も繰り返し思い出すセンチメンタルが詰まっています。そして、仰々しく何度も繰り返されるサビを通して「終わってしまう夏と前に進む自分」というテーマがやはりオーバーアプローチで語られています。

 過剰にテーマの説明を重ねるこの感じは、テレビ演出のようです。テレビ局に出自を持つNEOだからこそ説得力が増しますし、振り切って楽しい作品が続いているのでしょう。
 これからもNEOでしか聞けない振り切った作品を期待したいと思います。

キミといたナツ (CD+Blu-ray Disc)

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