細々とこっそりとちまちまと

アイドルソングの感想・レビュー、ライブレポ。

R25記事「泣けるアイドル」のこと


そんなに週末泣きたいならTSUTAYAにでも行けばいいのに!!!


 記事を読むと、ただひたすらそう思うばかりですが、せっかくなので“アイドル”と“泣くこと”について考えてみたいと思います。

 泣くこと自体を目的に現場に来てる人は見たことも聞いたこともありません(もしいるならこの記事全般すみません)。でも、現場で泣いてる人はときどき見ます。僕も経験があります。どうしようもなく泣けてしまうときがあるものです。一体、何がアイドルファンを泣かせるのでしょうか。

 こういうときのWikipediaです。涙は大きく2つに分けられるようです。

  1. 生理的な涙
  2. 感情による涙

 前者は目の機能の一部としてのもので、ゴミが入ったときやタマネギを切ったときなど反射性に流れることもあります。何にもないのに泣いちゃう人は一種の流涙症かもしれないので、現場に来てないで眼科に行って下さい。
 それゆえ、アイドルを見て泣くときに流れているものは、ほとんどが後者です。いろいろ検索して調べてみましたが、感情という主観的なものが背景にあり、涙の原因や理屈が諸説あるようです。そんな中で、今回は次の記事をベースにしていきたいと思います。

 とても読み応えがある記事ですので、ぜひ元記事も読んで欲しいです。ここでは3点に注目します。

  1. 人間は、自分で解決できない問題と痛感したときに泣いてしまう
  2. コンテンツで涙を誘うには共感できるシチュエーションと、感情移入できる登場人物が必要
  3. 音楽において泣かせることは難しい

 ドラマや映画では「人の死」が泣かせるための手段として使われます。「人の死」は誰もに身近なことであり、「絶対に解決できない問題」として普遍性を持っています。どうすることもできないという事実を前に無念や後悔、それを越えた感情が涙に繋がるという元記事の鋭い主張に唸らされます。
 また、よくわからない状況の知らない人の出来事で泣くことはできません。元記事では「好意度」と書かれていますが、好きな人だから悲しくて悔しくて、好きであるほどにどうしようもなく涙が出るのです。
 音楽が単独で涙に繋がるには様々な条件が必要となります。短い歌詞、限られた時間では、解決できない問題を提示すること、共感させること、どちらもハードルが高いです。すでに歌い手のことが好きであったり、歌詞のフレーズに強烈に心惹かれてしまったり、“泣ける曲”として一般的に知られているなどの思い込み、刷り込みがなければ難しいはずです。
 こうして考えると、アイドルを見て、聞いて、泣くことに気付くことがあります。

 現在のアイドルは、可愛い、歌が上手い、人気があるなど単一の要素だけでは考えることができません。見れば見るほど、好きになれば好きになるほど、アイドルの持つ物語性が深みを増していきます。
「今、会える」くらいにアイドルは身近な存在になっています。見方によっては“クラスの女の子”以上に、距離が近く、様々な顔を見せてくれます。メディアだけではなくSNSなどを通して(擬似的に)リアルタイムな情報が常に更新される中で、ファンは多くの情報を知ることができ、共感しやすいシチュエーションが広がっていきます。
 
 アイドルソングにおいても物語性は重要な役割を持ちます。リリースされたタイミングや、歌われたライブの意味、誰がどの歌詞を歌ったのか、楽曲に濃縮される形で“アイドルの今”が物語の1ページとして刻まれています。
 もし、すでに好きになっているファンなら言うまでもなく、アイドルソングに込められた思いや意味は聞く人によっては知らなくても共感を呼ぶことがあります。最新のアイドルソングは、それくらいパワフルなものなのです。

 そして、アイドルにとって「解決できない問題」として“卒業”、“脱退”、“解散”など、言うなれば(概念としての)“アイドルの死”があります。
 死が避けられないのと同じく、ほとんどのアイドルに終わりのときがいつかやってきます。だからこそ、フィクションを超えたドラマや、消えない思い出、今この瞬間の大切さがアイドル現場には生まれます。
 アイドルを好きになると本当に大きなパワーをもらうことができます。でも、その無限に思えるパワーには限りがあります。時限爆弾が付いています。そのことを知ってから、気付いてから、目を背けられなくなってから、僕はアイドルを見て泣くことが増えました。

 いろいろ書いてきましたが、改めて、アイドルのことが「本気で好きだから」流れる涙なのだと思います。
 泣ける映画、泣ける小説、泣けるメロディー、どれも否定しませんし、現代人がリフレッシュするために必要なものに違いありません。一方で、アイドル現場で流れる涙はそれら以上にパーソナルなものであり、外部の人や他人の理解が難しいものです。それは、何よりも濁っていて、汚く、害があり、同じくらいに、清く、純粋で、尊いのです。
 ぜひ、「アイドルを見て泣きたい!」という人がいるのならば、そこまでどっぷりハマって好きになって欲しいと思います。

タイトル未定 [CD+DVD](初回限定盤A)

タイトル未定 [CD+DVD](初回限定盤A)

タイトル未定

タイトル未定