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細々とこっそりとちまちまと

アイドルソングの感想・レビュー、ライブレポ。

誰が"アイドル"であろうとしたのか?(乃木坂46ファーストアルバム「透明な色」を聞きながら)

 2015年はどんなことがあって、どんなアイドルシーンになるのかな?

 年初めのそんなことをぼんやり考えていた時期だったからでしょうか。何だかビックリしてしまって。まさか「"アイドル"というジャンルは何なのか?」の根本を考えさせられることになるとは思っていませんでした。いろいろ考えてしまって、昨日はなかなか寝付けませんでした。そう、「アーティスト東京女子流宣言」のことです。


Ustream.tv: ユーザー TokyoGirlsStyle: アーティスト東京女子流 宣言へ, (出演:東京女子流メンバー、プロジェクトD佐竹). ポップス...


 最初に書いておきますが、大前提として、東京女子流のこれからの路線のことを否定的に考えているわけではありません。ユーストでもあった2013年の東京女子流のあり方には個人的に「あれっ?」と思っていましたし、2014年の東京女子流の流れは待ってましたという感じでした。過去のブログでも「本当の東京女子流」みたいなことを書いたかと思います。なので、これからの東京女子流が楽しみな気持ちしかありませんし、今回の発表について大部分は理解しているつもりです。ユースト見ていて思わずファニーに感じてしまう場所も多々あるくらい、東京女子流らしい(佐竹さんらしい)会見だったと思います。

 なので、ここから書いていくことは理解ではなく感情の話です。きっと最後まで結論みたいなものは出ないと思います。面倒くさい話でしかないので、そういうのアレな方はこの辺でそっと閉じるボタンをクリックして頂ければと思います。

 要は・・・寂しいのです。これからつづる寂しさに共感やいろいろなことを感じてもらえれば嬉しいです。

 何がそんなに引っかかっているかというと大きくは1つ、その中身として小さく2つにわかれています。
 なぜ、「自分たちは"アイドル"ではない」とわざわざ発表しなければならなかったのでしょうか。これが大きい方。過去に"アイドル"であったものの今はもっと広く大きく活動しているPerfumeももいろクローバーなどが決してしなかったことです。いつの日か東京女子流の活動から握手会が消えて、アイドルフェスに出なくなるときが来るのだということはわかっていたつもりです。東京女子流の運営方針を信じている方だと自分では思いますし、きっと今回の「アーティスト宣言」に関してプロジェクト内で何度も何度も何度も何度も検討して、調整して、発表したはずです。
 一方で、わざわざこのように発表したことで、「アイドルシーンを切った」とか「そもそも"アイドル"というジャンルは何なのか?」と考えさせられることになりました。これが小さい方です。
 
 ユーストを見た範囲ではありますが、東京女子流がアイドルフェスのタイムテーブルの中で異色であること、アイドルフェスの顔になることに違和感を持ってしまったこと、すごく気持ちはわかります。
 でも、それがアイドルシーンなのだと僕は思います。ごちゃ混ぜで、なんでもありで、ある意味で無茶苦茶が許される、それがめちゃくちゃ面白さの大部分なのだと考えていました。なので、今回の発表の中で「今さら何言ってんだろう」と思ってしまったのでした。僕にはアイドルフェス側のことはわかりませんが、東京女子流が"アイドル"であることを丁寧に否定した以上に、アイドルシーンから離れると機会を作って発表したことが寂しさの根っこにあります。

 そして、冒頭の疑問に戻ります。"アイドル"とは何なのか。僕が大好きなこのジャンルは何なのか。多くのアイドルグループを好きになって、それなりに考えてきたはずなのに、頭から考え直さないといけないような気持ちが生まれたのでした。
「そんなの受け手が決めること」だろう。そんなことはわかっています。きっと東京女子流もわかっていて、会見の中でも触れられています。その反面、受け手ひとりひとりが決めることができるはずの"アイドル"は定義も曖昧で、一言で語ることが難しい存在です。それこそが"アイドル"の魅力で、さっき書いた「なんでもあり」な楽しさにつながるのだと思います。
 
 一体、"アイドル"とは何だったのか。そんな答えが出るはずがない問題を考えながら、偶然、1枚のCDを聞いたのでした。1月7日リリースの乃木坂46ファーストアルバム『透明な色』です。

 それはもう、めちゃくちゃ素晴らしいアルバムだったわけですが、それだけではなく、これが答えなのかなあとぼんやり考えさせられました。乃木坂46の集大成は、当然のように、"アイドル"の存在意義や成り立ちを象徴する作品となっています。
 乃木坂46は48グループの公式ライバルとして2011年に作られたグループです。48グループは「アイドル冬の時代」を終わらせ、現在、日本のエンターテインメント業界のトップランナーですらある存在です。それにある意味「対抗する」形で作られた乃木坂46は、はたして、"アイドル"であることを目指し、目的に活動しているのでしょうか。僕は今日、ファーストアルバム『透明な色』を聞いて、もちろん、そんなことはないのだと思いました。

 そこには、あいまいな"アイドル"という枠なんて気にもしないで、既存のグループの派生であることを決して目指さず、過去にない面白いもの、素晴らしいものを作ろうという気持ちがつまっていました。アルバムを聞けば聞くほど、乃木坂46が"アイドル"を超えたグループであろうとしているのではないかと僕は考えてしまいます。
 乃木坂46だけではありません。Dorothy Little Happy、つりビット、乙女新党、Party Rockets、チームしゃちほこ9nineなどなど、きっと今活躍しているアイドルグループの99%が、そもそも、"アイドル"を目指してはいないのではないでしょうか。どのグループも新しいことに挑戦し、"アイドル"の枠を超えて、もしくは意識すらしないで、ただただ自分らしくあろうとしているはずです。

 もしかすると、いつの間にか、"アイドル"というくくり方そのものは大した意味を持てなくなっているのかもしれません。もはや、中身をなくし、意味が薄まり、額縁だけが残った存在こそが"アイドル"の最もスタンダードなあり方とも言えます。そうして、額縁の存在として広がっているのが今のアイドルシーンで、額縁の値段が上がっているのが昨今のアイドルブームなのではないかと思いました。

 魅力的な存在があって、僕たちがファンになる。

 これが"アイドル"の最小単位です。自分たちで"アイドル"の額縁を掲げるグループがいる一方で、僕たちはそうじゃない人たち、土地や物質、概念にまでも勝手に"アイドル"を感じて、自由に額縁に入れてしまいます。一方で、いつからこうだったのかわかりませんが、この額縁は中身なしでも価値を持つようになっています。
 もっと言えば、そんなこと、みんなが無意識に知っているのかもしれません。"アイドル"という額縁だけにすがるだけのグループのことは誰も好きになりません。どこまでも自分らしくあろうとするからこそ、オリジナリティを感じ、信じ、応援したくなって、楽しいと思うはずです。自分の道で一生懸命な誰もが"アイドル"で、誰も"アイドル"であろうとしなくても良いし、アーティストに路線変更とかやめるとかそういうものではそもそもないのです。

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 そんなこんなで、ほら、やっぱりうまく着地できない感じになってしまいました。書きながら整理した本音はやっぱり「女子流ちゃん"アイドル"やめるなんて言うなよおおおお.・゚・(ノд`)゚・.」ってことでした。笑。

 乃木坂46のアルバムをこんな形で話題にてしまったこと、ちょっと申し訳ない気持ちがあります。でも、まあ、おかげで"アイドル"について自分の中で考えを一歩進めることができました。そんなことも2015年最初の思い出として、アルバムに刻みたいと思います。ちゃんとした感想は機会を改めて絶対に書きます!

 それでは、最後まで読んでいただいた皆さん、本当にありがとうございます。感想&拡散お待ちしてます!