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細々とこっそりとちまちまと

アイドルソングの感想・レビュー、ライブレポ。

スパガの本気とドーナツの中心 「SUPER☆GiRLS LIVE 2015」1・10TDCホール ライブレポート

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 1月10日、TDCホールでおこなわれたSUPER☆GiRLS(スパガ)のワンマンライブに行ってきました。個人的には、2015年最初のアイドル現場になります。
 長時間のスパガのライブを見るのは初めてのことでした。しかも昼夜2公演。開演前、ライブを楽しむことに不安な気持ちがありました。前にスパガを見てから間が空いていたこともあり、期待のハードルは低かったというのが正直な気持ちです。
 それが、ワンマンライブが終わってどのように変わったのか、すでに、ご存知の方はご存知ですね 笑。TDCホールで、僕は「スパガの本気」を見ることになったのでした。


スパガ本気のセットリスト

昼公演(☆は昼夜披露された曲)
M0 ☆Welcome to SUPER☆CASTLE
M1 ☆花道!!ア~ンビシャス
M2 ☆女子力←パラダイス
M3 絶対自分前進宣言
M4 キラピュアPOWER
M5 ☆Girl's Party(『女子力←パラダイス』カップリング)
M6 純情シンデレラ
M7 恋愛マニフェスト
M8 ☆恋愛ルール
M9 星屑ラブソング(『1000000☆スマイル』カップリング)
M10 WAKE UP!(『女子力←パラダイス』カップリング)
M11 空色のキセキ
M12 ☆笑顔の羽根(合唱)
M13 約束の花束
M14 パレード~赤い情熱
M15 Survival(『年下の男の子』他のカップリング)
M16 ☆BELIEVER
M17 夢の引力
M18 ☆がんばって青春
M19 ☆EveryBody JUMP!!
M20 ☆MAX!乙女心
EN1 ☆ギラギラRevolution(2/18リリース新曲)
EN2 みらくるが止まンないっ!


夜公演(☆は昼夜披露された曲)
M0 ☆Welcome to SUPER☆CASTLE
M1 ☆花道!!ア~ンビシャス
M2 ☆女子力←パラダイス
M3 1000000☆スマイル
M4 Rave Together
M5 ☆Girl's Party(『女子力←パラダイス』カップリング)
M6 メガ★トゥインクル
M7 ☆恋愛ルール
M8 南風パヤパヤ(『プリプリSUMMERキッス』カップリング)
M9 プリプリSUMMERキッス
M10 PAN-PAKA-PAN!(『常夏ハイタッチ』カップリング)
M11 常夏ハイタッチ
M12 アッハッハ!
M13 ☆笑顔の羽根(合唱)
M14 Dear
M15 パレード~DREAM SEEKER
M16 Catch The Dream(『空色のキセキ』カップリング)
M17 ☆BELIEVER
M18 ☆がんばって青春
M19 ☆EveryBody JUMP!!
M20 ☆MAX!乙女心
EN1 ☆ギラギラRevolution(2/18リリース新曲)
EN2 ときめき色の風とキミ(12人Ver.)
EN3 Be with you

(セットリスト引用*1

 セットリストを見るだけで「スパガの本気」が伝わってくるように感じます。
 両公演ともM5とM6は6人のユニット編成として、他はすべて12人でのパフォーマンスでした。激レアなカップリング曲も多数披露され、昼夜で半分以上の曲が違うセットリストには、有名曲・定番曲だけではない、スパガの音楽の魅力が詰まっていました。
 ワンマンライブにあたって、メンバーも参加したセットリスト会議があったそうです。きっと、その中で、できるだけ多くの曲を聞いて欲しい気持ちと、知られていない名曲にスポットライトを当てたい気持ちを再確認する場所だったのではないかと思います。このセットリストには、スパガが歩んできた4年間の歴史と共に、今の12人だからこそのフレッシュさの両方がありました。

 豪華だったのはセットリストだけではありません。衣装のリメイク、チュールドレス、夜の部では水着風の衣装など、楽曲の流れに合わせてさまざまな衣装を着た姿を見せてくれました。
 お城を見立てたステージのセットでは、大きな階段と上階があり、段差を生かしたパフォーマンスとなりました。スパガは3人×4、6人×2などの組み合わせでフォーメーションすることが多く、段差があるステージの効果と合わさって、後列のメンバーでも見やすいと感じました。
 豪華なセットリスト、多彩な衣装、そして12人全員が主役になれるステージのライブでは、スパガの個性がすごく生きていました。12人が12色の違う個性と輝きを放っていました。「これがスパガらしいライブ!」と感じたのは僕だけではないはずです。


SUPER CASTLEという挑戦

 今回、『SUPER CASTLE』と題して、ライブそのものを物語の世界に入れてしまう試みとなりました。母から受け継いだ絵本という大枠の設定の中で、スパガはお城に暮らす12人のプリンセスとして、ステージに立っていました。セットリストのブロックごとに曲に合わせたアニメイラストの映像が流れ、キュートな曲、勇ましい曲、夏の曲など、どの曲も『SUPER CASTLE』の物語の出来事として披露されました。
 そうして作り込まれたライブでは、華麗さ、キュートさ、熱さ。普通のライブ以上にさまざまな感情を僕は感じました。物語の世界が歌と聞き手の間にあることで、歌詞の優しさや切なさをダイレクトに伝えてくれたのかもしれません。

 そんな『SUPER CASTLE』はアイドルのライブとしては異例な挑戦だったと思います。近年の主流は「コンセプトを絞って、わかりやすくシンプルで、誰でも楽しめる」ライブです。タイトな構成と楽曲やパフォーマンスの良さ「だけ」が際立つライブが増え、喜ばれています。『SUPER CASTLE』はそういうものと対極にあります。
 しかし、視野を広げてみると、物語をかけ合わせたライブの例はいくつもあります。僕が見た中では、竹達彩奈のライブが印象的でした。絵本の世界観、セットリストの構成など『SUPER CASTLE』のスパガと似ていたかもしれません。また、東京女子流やももいろクローバーZも物語をミックスしたライブをしていたと聞きます。もっと広く考えれば、ミュージカル・歌劇など、音楽と物語の関わりは深く、物語があることで際立つ音楽の楽しさがあります。

 とにかく盛り上がりたい。圧倒的なパフォーマンスで魅了されたい。そう思っていた人は『SUPER CASTLE』に求めていたものと違うものを感じてしまったかもしれません。でも、今回、僕には物語があるメリットの方がはるかに大きかったと思います。
『SUPER CASTLE』はスパガの楽曲やパフォーマンスが最も輝ける場所として作られていました。等身大の12人を超えた魅力が炸裂していて、ライブが進むにつれて、どんどんスパガの音楽に没頭していきました。 
 物語の力を借りて、スパガらしい、そしておそらくスパガにしか表現できないモチーフを見せてくれました。それは、王道アイドルの姿です。


ドーナツの中心

 ここ数年、アイドルは多様化し続けてきました。ありとあらゆるコンセプトのアイドルが生まれ続け、その楽曲もさまざまな音楽ジャンルを飲み込んで、アイドルシーンは個性豊かに広がっています。しかし、広がり続けたアイドルシーンの中心には何があるのでしょう? 僕が考えるに、そこには何もありません。
 アイドルの多様化の歩みは、「アイドルらしくなさ」の追求の道でした。ニッチなニーズに応えるアイドルがウケていき、「アイドルらしい」アイドルは成立しにくくなっていきました。中心を避け、周辺ばかりが発展した今のアイドルシーンは、ドーナツのような形をしています。
 ドーナツは穴が開いているから美味しい食べ物です。穴によって短時間で全体に火が通り、ふっくらと膨らみ、ほどよい食感になります。今のアイドルシーンも、中心がないからこそ、こんなに面白いものになったのかもしれません。でも、大きくなりすぎたアイドルシーンは全体像が見えにくく、まるでそんなものはないかのように、穴の場所や意味が置き去りになっています。
 
 スパガは『SUPER CASTLE』でプリンセスの物語を通して、王道アイドルの魅力を見せてくれました。それは多様化ではなく、見る人が元々持っているアイドルのイメージを思い起こさせるものでした。歌われる楽曲はスパガの歴史と共にあったもので、『SUPER CASTLE』やプリンセスというテーマをスパガは元々持っていて、提示し続けていたことが伝わってきました。
 もちろん、現代のアイドルグループであるスパガは、多様化の道も歩んできました。「スパガ=王道アイドル」とは言えないでしょう。でも、少なくとも、スパガは「王道アイドルの形」や「アイドルらしさ」、「アイドルの魅力の本質」を考えて、模索し、見せようとしてきたのではないでしょうか。その成果が今回のワンマンライブで発揮され、『SUPER CASTLE』の中で見せてくれた輝きの正体だったように思います。
 アイドルの中心がどこにあって、どんなものなのかをスパガが指差しして教えてくれたような気持ちです。ドーナツの穴と同じように、意味があって、その空洞にが大切なものがあるということを。

 どれだけアイドルが多様化しても、僕たちがアイドルに求める本質は変わらないものなのかもしれません。花を綺麗だと思う気持ち、星に心が洗われる気持ちと近いもので、見るだけで無条件で感じてしまうものです。
 この日スパガが見せてくれたものは、少なくとも僕にとっては、鮮やかな花や輝く星と同じくらい綺麗で可愛い、パワーがもらえるものでした。アイドルの楽しさと向き合える、とても貴重な体験でした。


2015年のSUPER☆GiRLS

 そんなこんなで、僕にとって初めてのスパガのワンマンライブは、素晴らしいものでした。いいライブすぎて、このセットリストの曲順でプレイリスト作ってずっと聞いてます。余韻はんぱないです。
 ただ、完璧なライブだったとは言えず、詰めが甘い部分も目立ちました。その辺は、6月20日の次のワンマンライブで改めて見せてもらえれば嬉しいです。
 ごっちゃんの卒業発表、すごく残念です。12人のスパガのライブをもっと見たかったです...
 いろんな意味でハードルは上がっていますが、きっと乗り越えてくれるでしょう。これから期待しています! 

 こうして、僕は「スパガの本気」を見ました。改めて、スパガを好きになって、これから信じて応援していこうと思うに十分なものでした。スパガを知らない人、過去に好きだった人、何となくナメてる人にもぜひ「今のスパガ」を見て欲しいです。きっと後悔はさせません。

 それでは、最後まで読んでいただいてありがとうございました〜。感想&拡散お待ちしてます!



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