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細々とこっそりとちまちまと

アイドルソングの感想・レビュー、ライブレポ。

「スパガの今」が響く等身大の応援歌:ギラギラRevolution/SUPER☆GiRLS レビュー

 2月18日、SUPER☆GiRLS(スパガ)12枚目のシングル『ギラギラRevolution』がリリースされました。1月のワンマンライブで初めてこの曲を聞いたとき、僕は一瞬で大好きになった曲です。前向きで、元気が出る、この曲の魅力について語っていきます。 

コスプレMV

 『ギラギラRevolution』の魅力を最もシンプルに伝えてくれるのは他の何でもありません。ミュージックビデオ(MV)です。楽曲のテーマを煮詰め、噛み砕いて、伝えてくれます。
 MVでは12人のメンバーのコスプレが見どころとなっています。内村・前島・勝田が家庭的な女の子、志村・幸愛・田中が優等生、ひかる・宮崎・後藤が干物女、荒井・溝手・浅川が赤ちゃんの衣装を着ています。どのコスプレも、文科系で内向的なイメージがあります。そこから12色のライダースを着たロックな女の子に「変身」するギャップが伝わってきます。
 MVの中でステージ衣装を着て踊っている姿は、彼女たちがなりたいものを表現しています。それは心の中にある理想の自分なのでしょう。

サウンドの工夫

 その変化はサウンドの工夫として裏打ちされています。『ギラギラRevolution』は大きく分けて4つのサウンドが使われています。楽曲の骨となっているロックサウンドの16ビート、フレーズの合間に効果的に使われているストリングス、サビや間奏を盛り上げるブラスセクションです。
 歌い出しの歌詞が「左回りの時計はない」であるように、この曲は時間について歌っています。気持ちや事情と関係なく進む時間の存在を16ビートのリズムが表現しています。明るく軽快なリズムからは、流れていく時間の無情さを一緒に感じることができます。
 そんな中で生まれる不安や心の揺らぎを表現しているのがストリングスです。Aメロではクールな合いの手として、Bメロやサビでは歌のメロディーと距離を取り、歌詞に込められた気持ちに奥行きを与える繊細な音を生かした仕事をしています。
 そうした不安定な心のあり方を跳ね返すカウンターとして、ブラスセクションが生きてきます。前に進もうとする気持ち、「変身」したい気持ちを表現できるのは、息が通った音を持つブラスセクションだからこそです。
 ぜひ、聞こえる音のひとつひとつを意識して聞いてみてください。この曲には明るさや切なさなど、さまざまな感情を喚起する工夫があることが伝わるはずです。歌詞だけではなくサウンドにおいても「等身大の自分への応援歌」となっているのです。

僕たちの等身大の応援歌

 応援歌はアイドルソングの定番です。聞き手を応援するために作られた歌は無数にあり、直接自分の心にやる気や元気が充電されるような感覚になります。一方、『ギラギラRevolution』を聞いているときの感覚は、かつての応援歌と少しだけ違うものです。歌から元気をもらうことは変わりませんが、その元気が自分の心の奥から湧き出てくるように感じるのです。
 ほとんどの応援歌は「勝利」や「成功」を願います。「敗北」や「挫折」から立ち直るための力を貸してくれます。「勝利」や「敗北」、「成功」や「挫折」はオセロの白と黒みたいにはっきりと存在し、ひっくり返してポジティブな結果に変えることが応援歌の存在意義なのかもしれません。
 でも、どうでしょう。はっきりとした「勝利」や「敗北」に直面している人ばかりではないのではないでしょうか。「勝ってもいないけど、負けてるわけでもない」というはんぱな状態にある人、そもそも勝ち負けのテーブルに乗っていない人、言い換えれば「勝利」と「敗北」のグレーゾーンの濃淡で頑張っている人の方が多いように思います。
 『ギラギラRevolution』はグレーゾーンにいる人のための応援歌に違いありません。なんとなく前に進めていない気がして、どこかに不安がある人。普段は見ないように平気なふりをしていて、ふとしたときに焦ってしまう人。「きっと何か出来る 信じてみよう」と歌うこの曲はそんな僕たちの等身大で、自分の内なる心の声の代弁者のように感じられるのではないでしょうか。だからこそ、どんな応援歌とも違う響き方をするのです。

スパガの今

 そして、『ギラギラRevolution』はスパガにとっても等身大で現実的な楽曲なのかもしれません。スパガだけが咲かせられる花があると僕も信じています。いつか大きな花が咲いて欲しい、多くの人に届いて欲しい。この曲を聴きながら「スパガの今」に思いを重ねるのでした。



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