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細々とこっそりとちまちまと

アイドルソングの感想・レビュー、ライブレポ。

僕なりの「史上最高のアイドルは誰だ!?評議会 女性アイドル編」

 2月21日、TBSラジオ『ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル』にて「"史上最高のアイドル"をたったひとり選ぶ」というテーマの企画が組まれました。2月14日に放送された"男性アイドル編"に続く第二弾で、評議委員は宇多丸さん、コンバットRECさん、杉作J太郎さん、吉田豪さん、BaseBallBear小出祐介さん、辛酸なめ子さんの6人。大変愉快な放送で、Podcastで何回も聞いています。女性アイドルに興味がある人はぜひ聞いてみてください。


 6人のお話を聞いていて、僕なりに"史上最高の女性アイドル"のロジックを考えてみました。そこで、個人的な思い入れやファン目線を一切無しにして、現在進行形のレジェンドであるひとりのアイドルについて語っていきます。
 「誰について語っているのか?」を予想しながら、ロジックも楽しんでもらえれば嬉しいです。キーワードは「愛され憎まれる」「物語性」「イノベーター」「ファンタジーの具現化」です。


 評議会を聞いていると、社会の変化によってアイドルのあり方も変わってきたことがよくわかります。80年代、アイドルの清純神話が崩れざるを得なくなり、冬の時代を迎え、「みんなのアイドル」は成立しにくくなっていきました。インターネットとSNSの普及はアイドルの情報発信を増加させ、握手会などのビジネスモデルによって一般人との距離は縮まっていきました。
 そんな中で、彼女に掛けられた声は嬉しい言葉ばかりではなかったと思います。多くのファンとアンチに出会い、直接顔を突き合わせ「愛され憎まれる」立場にあった彼女は、現代のアイドルの魅力と危うさの最大値を考えさせてくれる存在です。


 放送の中で、アイドルシーンとスポーツの相性の良さや類似性について言及されています。見も知らぬ人たちと心をひとつにして応援し、フィクションを超えたドラマが生まれた瞬間に立ち会うことができたとき、激しく心を揺さぶられることになるのです。ファンにとってアイドルは歌や踊りを鑑賞し楽しむだけの存在ではなく、周囲の関係との変化によって生まれる「物語性」が大きな意味を持ちます。
 彼女ほど急上昇と急降下を連続して経験したアイドルは珍しいと思います。努力は報われ、幸運に恵まれ、吹いた追い風。小さなささくれと、広がった不信と、吹き荒れた向かい風。彼女ほど波乱万丈な物語を課せられ、現在も戦っているアイドルは他にいません。


 "史上最高の女性アイドル"を考える上で、新しい道を切り開いたアイドルとその波及効果を十分に考慮しなければいけません。王道とカウンターの折衷としての小泉今日子や、冬を終わらせた立役者として後藤真希など、過去の呪縛を解き、未来の可能性を広げられたアイドルがさまざまな節目に存在してきました。時代の要請を受けて、タブーに挑み成功した彼女たちのような存在は、「イノベーター(革新者)」と呼ぶべきです。
 一般人との境界線はあいまいになっていて、アイドルと恋愛の問題は臨界点に達しつつありました。そうしてスキャンダルは巻き起こり、飲み込まれた彼女。罪と使命を背負って、元の場所を離れることになった彼女。新たな場所で自分の役割に全身全霊で挑んだ彼女を待っていたのは、断罪ではなく、かつてない大きな栄光でした。彼女は身をもって、恋愛禁止のルールを破り、致命的な失敗をしても、終わりではないことを証明しました。それは、今や未来のアイドルにとって希望であり、彼女は間違いなく「イノベーター」なのです。


 さて、僕が誰のことを語ってきたのか。もうおわかりですね。HKT48の指原莉乃こそが"史上最高の女性アイドル"であると、僕は主張します。


 アイドル冬の時代以降、女性アイドルは表も裏もある存在であると暴露されてしまいました。アイドルがアイドルのままで普通の女の子をしているのが現代のリアルです。それでもファンは希望を抱いて、ときに目をつぶって、アイドルと虚像を重ねていきます。少しでも明るい物語を読み取ろうとするのです。それはときに大きな歪(ひず)みを生みます。
 そんな時代だからこそ、「なりたいアイドル像」を持ち、演じ、表現するアイドルが生まれてきているのだと思います。プロデューサーなど大人の理由ではなく、自分自身の心と頭で決めて、ファンが求めるアイドルのリアルに近付けようと努力すること。それは、最も現代的なアイドルのあり方です。
 指原莉乃にとって「なりたい自分となれる自分は違う」ものなのだと思います。元モーニング娘。亀井絵里のような王道アイドルを理想としている反面、テレビのバラエティー番組に出演し芸人からイジられる指原莉乃。両者には確かに大きなギャップがあります。しかし、彼女は彼女のやり方で「なりたいアイドル像」を表現しようとしています。その対象は自分自身ではなく、HKT48というグループです。
 劇場支配人としてプロデューサー的な立ち位置でHKT48を今の形にしているのが指原莉乃です。現役トップアイドルでありながら、ここまで深くグループの運営に関わっていること自体が相当珍しいことであり、彼女が作り上げるHKT48は多くのファンの理想を吸い上げた「ファンタジー(幻想)の具現化」です。そんなことができるのは指原莉乃の他におらず、HKT48はまるで奇跡のような幸運に恵まれたグループです。


 今は王道アイドルは成立しにくい時代なのだと感じています。変化球や飛び道具が注目を集め、コンセプトやインパクトで勝負するグループがファンを獲得していきます。それでも、ファンがアイドルに求めるものの本質は変わっていないはずです。いつだって元気やきらめきやパワーを欲しているはずです。
 もし、次の女性アイドル冬の時代を回避できるとするならば、それは時代に合った女性アイドルの王道が見つかったときなのだと僕は思います。そのヒントが「ファンタジーの具現化」にあると感じています。そんな未来の切符を握っているのが指原莉乃なのです。
 アイドルシーンがいつまでも続き、どこまでも広がることを僕は願います。その願いが叶った未来への期待を込めて、指原莉乃を"史上最高の女性アイドル"として見届けていきたいと思います



 そんなこんなで、いかがでしたでしょうか。同意してもらえればともちょっとだけ思いますが、それよりも、あれこれツッコミ入れながら楽しく読んでもらえたら1番です。笑。感想&拡散お待ちしてます!
 よかったら皆さんも、皆さんなりの"史上最高のアイドル"について考えてみてくださいー。



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