読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

細々とこっそりとちまちまと

アイドルソングの感想・レビュー、ライブレポ。

目で見える"残酷ショー"、心で感じる"絆"と"未来":第7回AKB48選抜総選挙 at 福岡ヤフオクドーム 観戦レポート

 6月6日、福岡ヤフオクドームでおこなわれた『AKB48 41st シングル選抜総選挙 〜順位予想不可能、大荒れの一夜〜』(以下、AKB総選挙)に行ってきました。今年で7回目、初の福岡での開催となりました。
 先に結論を書けば、函館から福岡、飛行機乗り継いで見に行った価値がある素晴らしいイベントでした。AKBファン歴は決して長くない僕なりに、AKB総選挙に参加して感じたことを書いていきたいと思います。

f:id:chima4dn:20150607105857j:plain

初めてのAKBコンサート

 イベントの開演は15時。開票イベントの前にはコンサートがありました。最新シングル『僕たちは戦わない』で始まり、新旧のAKB48の楽曲、姉妹グループSKE48、NMB48、HKT48のパフォーマンス、約2時間のコンサートでした。
 僕は、去年の秋からHKT48のコンサートに遠征して行ったり、リクアワ2015のライブビューイングに行ったり、AKBのイベントに少しずつ参加するようになりました。でも、ファンとして楽しんでいるほとんどは放送されるテレビやDVD、Huluなどの"在宅コンテンツ"です。だから、福岡ヤフオクドームのステージに立つAKBメンバーを見ていて、彼女たちが遠くても目の前にいることは、自分が思っていた以上に嬉しくてテンションが上がりました。
 指原莉乃ちゃんは本当にスタンド席の上の上まで見てくれるし、柴田阿弥ちゃんの目力はんぱなかったし、島崎遥香ちゃんは超顔が小さくて困り眉がキュートだったし、西野美姫ちゃんは本気で激しく踊っていたし、渡辺麻友ちゃんは本当に王道アイドルだったし、柏木由紀ちゃんは見る人を夢中にさせる魅力でいっぱいでした。あと、SKE48の7期生はめちゃくちゃフレッシュでした。

 AKBは"在宅"でも楽しいです。でも、やっぱり、コンサートはそれ以上の楽しさでした。確かに、AKB以外のアイドルのライブやコンサートと比べれば、規模は大きいし、距離も遠かったですが「目の前にいる」「同じ空間にいる」ことにはとても大きな意味がありました。
 総選挙翌日のコンサートには行けなかったこと、今はすごく残念に思います。その代わりに、さいたまスーパーアリーナでも、東京ドームでもぜひAKB48グループの全体コンサートを改めて見に行きたいです。

第80位 13,116票

 コンサートが終わって、いよいよ開票開始です。僕の座席はスタンド席のまあまあ後方。全体をよく見渡せる場所でした。コンサートのときからあった緊張感がさらに高まります。開票が始まったとき、会場を歓喜の声や驚きの声、声にならない喜びと声を出すことすらできない悲しみが染めていきます。約30,000人の複雑な感情が混ざり合ったドームは、異様な熱気に包まれていました。
 福岡ヤフオクドームを埋める観客のほとんどが、メンバー誰かのファンで、投票して自分の"推しメン"にチャンスの順番が回ってくる瞬間を見届けたいと思っていたはずです。票数と順位がひとつひとつ発表されるたびに30,000人それぞれの一喜一憂が弾け、開票イベントは進んでいきました。

 推しメンに総選挙でチャンスを。そんな願いを持っていた多くの人たちが驚いたのが、開票が始まってすぐに告げられた「第80位 13,116票」という結果だったのではないでしょうか。昨年の80位は9,561票。約4,000票もランクインに必要な票数は上がっていました。
 ランクインを目指していたメンバーとそのファンにとって"13,116票"という"壁"は予想以上に大きく、去年のボーダーラインだった10,000票を集めたとしてもまだ届きません。発表されていない81位より後ろの票数も間違いなく僅差で並んでいて、80位と"圏外"がもし1票差だったとしても全然おかしくないと思います。容赦のない数字です。
 そんな接戦を築いているのは他でもないファンの投票それ自体です。皮肉といえば皮肉な話です。でも、それだけではありません。過去最高に80位の票数が上がり、僅差になった2015年の総選挙。「推しメンにチャンスを与えたい」AKBファンのそんな願いが過去最強だったのではないでしょうか。だからこそ、熾烈な結果になったのだと思うのです。
 今年の総投票数は過去最多の328万票だったと聞きます。1票1票すべてに思いが込もっていて軽くありません。投票とチャンスの行方を会場で見守ることは、とてもスリリングで面白く、同時に胸が痛くなるときもあるのでした。

残酷の中で生まれるもの

 大躍進するメンバーがいる一方で、圏外になったメンバー、順位を落としたメンバーもいました。自分が投票したメンバーのことは特に気になってしまうもので、村重杏奈ちゃん、田中美久ちゃん、江籠裕奈ちゃんは結果は圏外でしたが「まだ呼ばれるかも」と開票の結構後ろの方までドキドキしていました。選抜入りも期待されながら順位を落とした森保まどかちゃんは僕もショックでしたし、選抜落ちした須田亜香里ちゃんのスピーチは涙なしには見られませんでした。
 次世代ユニット・てんとうむchu!でただひとり圏外となった西野美姫ちゃん、速報では37位とランクインしたものの圏外となり涙を見せた込山榛香ちゃんの姿は、客席からも見えますしスクリーンに抜かれることもありました。多くの喜びも悲しみが生まれるだけではなく、その姿が見えてしまうことは、AKB総選挙が「残酷ショー」と呼ばれることもある理由のひとつです。
 その「残酷」な構図を作っているのがファン自身だということ。光と影を生んでしまうその事実は、7回目を迎える今年、少し意味合いが変わってきているように感じました。それをステージの上で言葉にしてくれたメンバーがいました。

総選挙の結果は、票数とか順位だけが大事なんじゃなくて、総選挙が終わったあとに、 自分のファンのみなさんと「やりきったね」って笑いあえることが一番大事なんだなと思いました。


26位・小嶋真子(抜粋)

 速報圏外、昨年36位からランクアップを果たした安堵と喜び、次世代エース候補としてのプレッシャーと責任感を感じる、個人的に最も印象に残っているスピーチのひとつです。小嶋真子ちゃんを応援したいと思いました。
 小嶋真子ちゃん以外にも「今年はいつも以上にファンの熱を感じる選挙だった」と話すメンバーは何人もいました。80位が13,000票を超えて接戦となったことは、いつもの総選挙とは違う「ファンの熱」の表れなのだと思えば、確かに今年の総選挙は何かが去年までとは違っていたのだと言えます。

 1位〜80位、圏外という順位付けが結果として出てしまうイベントです。結果に納得できていないメンバーの方が多いはずですし、真の勝者は1位になったひとりだけ。こうやって書くと、こんな歪(いびつ)なイベントどうしてやっているんだろうと不思議に思います。目に見えるものはやっぱりどこまでも「残酷」です。
 しかし、投票した1人1人のファンの気持ち、アイドルとの関係性が「残酷」を他のものに変化させます。
 推しメンをランクインさせたい。大きなチャンスにして欲しい。速報よりもっと上の順位にしてあげたい。握手会、Google+、755。いつも以上にファンはアイドルに気持ちを打ち明け、アイドルはその思いを力に変える。「残酷」なイベントだからこそ、選挙を通してファンとアイドルの関係性はより強くなるはずです。それを、山本彩ちゃんは「絆」と呼んだのだと思います。
 ランクダウンや圏外はとても悲しいことです。納得できない順位は悔しくてたまらないでしょう。でも、選挙で生まれるものは、順位やチャンスだけではないのだと思います。選挙期間中に深まった「絆」はそのひとつに違いありません。たとえ81位でも、深い「絆」を作ることができたのなら、1位にだって負けない価値があるはずです。

 福岡ヤフオクドームでは、そんな「絆」を確かに感じることができました。選挙が終わっても「絆」は消えない。そう思えば、AKB総選挙は「残酷ショー」なんかではなく、ファンとアイドルの関係性を感じられる素晴らしいイベントです。

100年先まで

 選抜メンバーのスピーチは、自分自身のこと以上に後輩に伝えたいことやこれからのAKBについて語っていて胸が熱くなりました。比喩ではなく、全メンバーで泣いてしまいました。そんな中で、横山由依ちゃんの、途中グダグダではありましたが、「AKB48がこの先、5年、10年、100年ぐらい続く、大きなグループになればいいなと思う」という言葉は心に残りました。
 宝塚歌劇は今年101周年。きっと92年前の宝塚歌劇で横山由依ちゃんと同じことを話していたら、笑われていたことでしょう。総選挙で感じた「絆」と先輩から後輩に引き継がれる思いがあれば、きっと叶えられる夢だと思います。
 福岡まで遠征して、目で見て、心で感じた総選挙。決して甘くて楽しいだけのものではありませんでしたが、だからこそ感じられる思いがあって、とても感動しました。「こんなに見るべきイベントは他にない」と言い切れます。
 来年も総選挙があれば、どこで開催されても現地で見届けたいと強く思っています。今年行かなかった皆さんも来年はぜひ一緒に参加して、泣いて、語り合いましょう。



 そんなこんなで、長々と失礼しました。去年まではテレビもろくに見てなかったアイドルヲタクの書いたことですので、失礼・無礼がありましたら申し訳ありません。感想&拡散お待ちしています!
 何はともあれ、総選挙に参加した272人全員の幸せを祈りつつ、終わりとしたいと思います。最後まで読んでくださってありがとうございました〜。

AKB48総選挙公式ガイドブック2015 (講談社 MOOK)

AKB48総選挙公式ガイドブック2015 (講談社 MOOK)

僕たちは戦わない Type A【通常盤】

僕たちは戦わない Type A【通常盤】