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細々とこっそりとちまちまと

アイドルソングの感想・レビュー、ライブレポ。

渡邉幸愛新規が語るSUPER☆GiRLS 4thアルバム「SUPER★CASTLE」レビュー

SUPER☆GiRLS 音楽

 3月9日、SUPER☆GiRLS(スパガ)4枚目のオリジナルアルバム『SUPER★CASTLE』が発売されました。3rdアルバム『celebration』から約3年ぶりのリリースとなり、3人の新メンバー加入から始まった"第二章"の活動の集大成と呼ぶべき作品です。
 特に、僕のような"第二章"からのファン、"渡邉幸愛新規"は世界中の誰よりも首を長くして待っていたと言っても良いでしょう。

■収録曲
M01.1Welcome to SUPER★CASTLE
M02.花道!!ア~ンビシャス
M03.ギラギラRevolution
M04.ごめんね。のとなりで
M05.Interlude 01
M06.アッハッハ!~超絶爆笑音頭~
M07.イッチャって♪ ヤッチャって♪
M08.Interlude 02
M09.クラムチャウダーが冷めちゃう月曜日
M10.Don’t Stop The Party
M11.GLORY
M12.Interlude 03
M13.「サヨナラ」なんて
M14.トリビュート
M15.Happy×2 Birthday
M16.JOY! & JOY!!
M17.華麗なるV!CTORY

アッハッハ擁護派

 アルバムの中身を語る前に、これを書いている人間がどういうヤツなのかを知ってもらいたいと思います。大きく2つあります。
 1つ目は、幸愛ちゃんのParty Rockets卒業・潜伏・サプライズ加入を経て、スパガのファンになったこと。2つ目は、幸愛ちゃんが加わってリリースされたシングル『アッハッハ!~超絶爆笑音頭~』が結構好きで、擁護したいと常々思っていること。いや、確かにヤバイ曲だということは僕だってわかっています。でも、普通じゃないからこそ良さがあるというか。
 当時、幸愛ちゃんのスパガ加入が自分でも信じられないくらい嬉しかったです。また彼女のパフォーマンスが、イベントやブログで元気な姿が見られることが楽しくて仕方がありませんでした。一方で、Party Rocketsの幸愛ちゃんがもう見られないことには唯一モヤモヤが残っていました。だから、その分、幸愛ちゃんにはスパガでの活躍を、スパガには大きな変化を望んでいました。幸愛ちゃんを引っ張っておいて焼き直しの活動なんてイヤだったんですね。そんなとき、リリースされた『アッハッハ!~超絶爆笑音頭~』。SNSでタイトルが出たくらいから界隈がザワついていたことを今でもよく覚えています。"スパガの夏曲"のイメージを覆し、今まで積み上げてきたものの何割かを崩す、ふざけていてヤケクソになっているとしか思えない新曲。でも、間違っているかもしれないその選択の中には「スパガを変えたい」「固定概念を破りたい」という思いが確かにあって、少なくとも僕の胸にはそう響きました。そうして僕は擁護派になりました。みんなが悪く言っても僕だけは『アッハッハ!~超絶爆笑音頭~』を愛そうと決めました。
 さて、そんな問題曲が収録されているこのアルバム。前後を寸劇トラックで挟みつつ、アルバム全体にストーリー性を持たせるというアイデアで一体感がある作品に仕上がっています。そのアイデアが、びっくりするくらい上手くいっているという衝撃の事実。王道アイドルソングやダンスナンバーやラブソングやバースデーソングもいい曲たくさん入ったアルバムの中で、"変な音頭"が居場所を確保していること。アルバムを繰り返し聞き込むほどに『アッハッハ!~超絶爆笑音頭~』の違和感が薄れていって、「これはこれでアリかも」となってしまうのですから大したものです。みんなも・・・何人かだけでもそう感じてくれていると思います。
 そして、僕は思います。音楽は自由だ、と。正解も不正解もありません。どんな形であれ聞く人の心を震わせることができたなら、その人にとって掛け替えの無い歌があるなら、素晴らしいしそれで良いのでしょう。

作詞家シビルウォー

 そんなこんなで、どこまでも幅があり奥行きがある作品です。聞いてもらえればすぐに感じてもらえることですが、例えば、作詞家を切り口に考えるのも面白いです。
 幸愛ちゃんの超絶メールで知ってとても驚いたのですが、M04『ごめんね。のとなりで』を作詞した中原徹也さんは元々スパガのファンだったそうです。ファンが作詞家になって、好きだったグループの作品に関わる。ちょっと嫉妬してしまうくらいのサクセスストーリー。前山田健一さんが作詞・作曲のM09『クラムチャウダーが冷めちゃう月曜日』は、前島亜美さんをメインにしたユニット曲です。キュートな歌詞とメロディーが前島さんの声とぴったりで、冒頭のため息からアウトロ前のつぶやきまでもう完璧、萌え死ぬ勢いです。
 そして、『Interlude 03』に続いて作詞家戦争が本格化します。M13『「サヨナラ」なんて』で半径1メートル以内的パーソナルな恋愛のリアルを22歳の鈴木まなかさんが描いたかと思えば、M14『トリビュート』は森月キャスさんによる個人の恋愛の枠を超えた普遍的ラブソングで職業作詞家の凄みを見ることができます。考えてみれば、鈴木まなかさんが小学生の頃、森月キャスさんはSMAPに詞を書いていたわけで、両社の才能と経験を感じられるこの2曲の並びは贅沢です。
 M15『Happy×2 Birthday』のBOUNCEBACKさんは、『MAX!乙女心』『女子力←パラダイス』『常夏ハイタッチ』などスパガの代表曲を多数手掛けてきました。同じく作詞がBOUNCEBACKさんのM11『GLORY』でも感じることですが、温かくてキラキラした詞がすごく心地良いです。それはスパガが築いてきた"王道アイドル"の姿と重なります。弾けた作品でもお行儀の良さと優等生の一生懸命が感じられます。BOUNCEBACKさんはスパガの楽曲の良さを代表する音楽家だったのかもしれません。それは第二章で中心にいる作詞家・Litzさんとは明らかに違う方向性です。
 M02『花道!!ア~ンビシャス』、M06『アッハッハ!~超絶爆笑音頭~』、M07『イッチャって♪ ヤッチャって♪』、M16『JOY! & JOY!!』、M17『華麗なるV!CTORY』と最も多くの楽曲で作詞しているLitzさん。こうしてまとめて聞くとその作風に気付かされます。オリジナリティがある単語の宝庫で、反対にフレーズ間の意味の繋がりみたいなものは弱く、"物語性が強い楽曲"とは違う方を向いている作家なのだと思います。
 どちらかと言えば僕は楽曲の中から"物語"を感じるのが好きです。そんな僕にとってLitzさんの歌詞は"アイドルソングのアブストラクトアート"のようなものです。目を引く派手さと耳から離れない言葉がありながら、同じ世界と思えないくらい頭で理解しようとしても無理です。一方で、確かに心を打つ歌詞が作る波紋、つい体が動いて耳から離れないという事実、頭以外にメッセージが届いています。夢みたいに抽象的で、お祭りみたいに非日常な歌詞。だからこそ連れて行ってくれる場所があって、それがLitzさんの個性です。このアルバムを聞いてやっと知ることができた特別な魅力です。
  

SUPER★CASTLEは建設途中

 こんなにも作詞家の多様性について感じさせてくれるのは、他の部分がしっかりと作りこまれているからに違いありません。アンプに繋いでなるべく良い音で聞きたくなるサウンド。アルバムが出るまで待たされたことを補う新曲の豊富さ。コンセプトを届けてくれる曲順や曲間の工夫。スパガのアルバムは毎回そうなのですが、完成度の高さに舌を巻きます。
 そして、今作で最も強く感じたのはメンバーの存在感です。ひとりひとりの成長がはっきりと感じられます。前作以上に積極的に作品に関わる姿を見ることができます。本当の意味で子供から大人に変わろうとしていることがわかります。日本武道館への道筋でリリースされた3rdアルバム『celebration』から約3年、わかりやすい物語も大人が敷いたレールも霞んでしまった"第二章"でした。だからこそ、自分を見つめ直したスパガの声が、歌が、力強く聞こえるのです。「キラキラするために今 わたしは変わってく」。M03『ギラギラRevolution』の歌詞のように、現状よりもっと上を自分の足で目指す姿に共感します。元気と勇気が沸いてきます。"等身大"のスパガを感じられる4thアルバム『SUPER★CASTLE』は特別な1枚となるのです。
 最近行ったライブで「楽曲は我が子のようなもので、リリースされたときは生まれたばかりの赤ん坊」という話を聞きました。ライブで披露されるたびに少しずつ育っていく。ファンが繰り返し聞く中で思い出を吸い込んで特別なものへと大きくなっていく、と。『SUPER★CASTLE』も同様で、これからやっとその楽曲は成長していくのです。
 そのために、やっぱりどうしたってライブには行かねば。おそらく幸愛ちゃんがバキバキに踊ってくれるM10『Don’t Stop The Party』がどんなダンスでどんな衣装で披露されるのか、必ずこの目に焼き付けたいと思います。M17『華麗なるV!CTORY』は踊ってしまうかもしれません。どんな風にアルバムの世界が表現されるのかとてもワクワクしています。
 半年後、1年後、5年後、10年後。ふと思い出して手にする。そういうアルバムに『SUPER★CASTLE』はなるでしょう。そのとき、どんな風に聞こえて何が見えるのか。それを楽しみにじっくりと聞いていきたいと思います。


SUPER★CASTLE(初回生産限定盤)(Blu-ray Disc付)

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SUPER★CASTLE

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